松山茉生、PGAツアーデビューであいさつ代わりの370ヤード弾！ 平均飛距離2位！　父に聞いたその秘訣は？【ソニーオープン初日】

期待高まるスタートホールでビッグドライブを披露するほどの大物ぶり！（写真は2025年1月ソニーオープン　撮影／Getty Images）

「ソニーオープン」初日（9日＝日本時間10日）、この試合がアメリカPGAツアー初参戦となった昨年の日本アマ王者、松山茉生（まお、福井工大福井高1年）がド派手にデビューした。朝イチで370ヤードのビッグドライブを披露するなど、17ホールで日没サスペンデッドとなった時点で平均飛距離は349.2ヤードで全体の2位！　PGAツアーの選手たちに引けをとらない飛ばしの秘訣について父の阜司（たかし）さんは、こう説明してくれていた。

ツアーの公式サイトも大注目

開幕当日の現地時間9日、PGAツアーの公式サイトはトップページで「血縁はないけど、影響はされている。日本のマオ・マツヤマがPGAツアーデビュー」との見出しを付けて、練習ラウンドでの松山英樹とマオくん のツーショットを掲載しました。
そして182センチ、90キロ の身体から放たれた記念すべき第一打はなんと370ヤードを記録！
見事にフェアウェイに運び、残り112ヤードからの2打目を３メートルにつけてバーディ発進しました。

“最長不倒”は371ヤードで、全体の12位。

マオくんは5番のティショットでも371ヤードを記録。日没サスペンデッドとなった初日の全員の全ショットの飛距離の中で12番目となりました。
平均飛距離は349.2ヤードで143人の出場選手で2位とPGAツアーの面々に引けを取りません。
アマチュアならあやかりたいこの飛距離の秘訣は、どんなものなのか。父の阜司（たかし）さんに、以前聞いたことがありました。

バックスイング。切り返しで大事なことは

バックスイングでは「上半身の前傾をキープして回していきます」。
一般的なアマチュアは、いきなりこれが崩れてしまうことが多いので、動画を自撮りするなどしてチェックしたい重要なポイントです。

そして切り返し以降は「お尻のターンで回す感じです。やっぱりヘッドを遅らせて。そこからフォローに対して振り抜け、ということを意識させました」（阜司さん）
お尻（腰）を先に回すイメージで、飛ばしに欠かせない「タメ」や「捻転差」が自然とできます。

日本アマ優勝時ご両親と。右が父の阜司さん（筆者撮影）

インパクトゾーンでは「減速せず、押し込む」

腰を回して、それに上半身とクラブが付いてきて、インパクトに向かいます。
ここで大事なのは「インパクトゾーンで“減速”しなように『押し込む』っていうことを意識させています」と阜司（たかし）さんは言います。

クラブチャンピオンにもなる腕前で自身もトップアマの阜司さんですが、普段は学校の寮（福井）と実家（名古屋）で離れて暮らしているため、直接指導することはできません。

それでもマオくんは調子を崩すとスイング動画をスマホで送ってくるそうです。
そこで足の使い方やお腹、腰回りの動きをチェックし「押し込めているか？　と聞くと『あぁ』と気づいて、次の日押し込む練習をすると調子が戻ったなんてことを電話で話します」（阜司さん）

この辺りはさすが親子。「やっぱり小さい頃から見ているからわかるんです。上げ方に力が入っているんじゃないか、などと。他の人のスイングを見てもわからないですけど」ということなのだそうです。

ローテーションの意識はしない

370ヤードの飛距離のためには、さらに手首のローテーションを効果的に使って、と思いきや「フォローではローテーションの意識を捨てさせたかった」と阜司さんは言います。
これはヘッドスピードが速いが故に、引っかけが出てしまうのを避けるため。
意識するのは、フェース面の向きを変えずにボディターンで振ること。そうれば、最後に手首は自然と返るということでした。
これによって「自然に『軸』ができて、さらに球を押せる」のがマオくんのスイングです。

「僕らがやったら…」

さっそく次の練習でやってみる！　と思った方は、阜司さんのこの言葉もお忘れなく。

自身も向上心に溢れるゴルファーですから「人に言いながら、どれだけやったらいいんだろう？」と思って試してみたところ、「痛タタと。僕らがやったら体が壊れると思います」となったそうです。

皆さんもマネをする際はご自身の体力と相談した上で、お気をつけて……。

（取材・文/森伊知郎）

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