話題の新作 開発ストーリー秘話 ギアモノ語りプラス Callaway×ELYTE
タングステン・スピードウェーブのヒントは『X HOT』にあり
『ELYTE』のフェアウェイウッドでは過去のキャロウェイのフェアウェイウッド、さらには他メーカーのフェアウェイウッドでも見たことがない斬新な構造が採用されている。それが「タングステン・スピードウェーブ」。ウェイトをソールに溶接したり、ネジで留めるではなく、ソールから浮かせた位置でトゥ側とヒール側のタングステンをつないでいる。この構造について米国本社でプロダクト戦略を担当するザック・オークリーに話を聞いた。
「このアイデアは2013年に発売された『X HOT』から生まれたものです。『X HOT』ではスタンディングウェーブ構造により、フェースの近い位置にウェイトを配置したことで重心位置を最適化。低スピンでありながら、打ち出し角を高くしたことで飛距離性能が格段に上がりました。『ELYTE』のタングステン・スピードウェーブも同じ発想です」
Callaway Golf Senior Product Strategy Manager ザック・オークリー(Zack Oakley)
『X HOT』のフェアウェイウッドは2013年に“300ヤードスプーン”として大ヒットした名器。『X HOT』のヘッド内部にはフェース面に近い位置にアンダーカットインナーウェイトが搭載されている。『ELYTE』のタングステン・スピードウェーブも同じような位置にあるが、ソールから浮いているのがポイント。ザック・オークリーはその恩恵について、
「前作の『パラダイム Ai SMOKE』でもスクリューウェイトは採用していましたが、ウェイトをフェース側に持って行こうとすると、ウェイトの重さによってフェースのたわみを抑制してしまう。それを改善するために今回はフェースから離れた位置にビスを作り、ソールから浮かせる構造にしたことでインパクトしたときのフェースのたわみを邪魔しない設計にしています」
センターヒットしたときはもちろん、オフセンターヒットしたときでもフェースのたわみを最大化することで飛距離アップにつながった。
ドライバーとは異なる10倍(10x)の進化
もちろんフェアウェイウッドにもドライバー同様にコントロールポイントが10倍以上になった「Ai 10x FACE」が採用されている。コントロールポイントというのはミスヒットしたときの弾道を補正してくれるポイント。10倍になった要因についてザック・オークリーは、
「フェアウェイウッドのコントロールポイントを10倍にできた要因は、AIを解析するエンジニアの数を大幅に増員したからです。解析能力が上がったことにより、AIからアウトプットされるフェースの設計を曲線のレベルまで忠実に具現化できるようになりました。その結果としてコントロールポイントが10倍に進化しています」
ただし、そこにはドライバーとの決定的な違いもあった。
「AIにはリアルな人のスイングデータを入力していますが、ドライバーとフェアウェイウッドではミスの傾向が違います。フェアウェイウッドで一番の問題はフェースの下側に当たってしまうミスです。フェアウェイウッドの『Ai 10x FACE』は下側でミスヒットしたときでも弾道を補正してくれるフェースになっています」
さらに『ELYTE』のフェアウェイウッドはソールのデザインも一新して、ツアープロから評価が高い『APEX UW』のソール形状に近いステップ・ソールを採用。ソール中央部分にステップがあり、ソール後方部分が高くなっていることで接地面積が57%も減少。ソールの抜けが良くなっただけではなくアドレスしたときの座りの良さにもつながった。
『ELYTE』のフェアウェイウッドは名器『X HOT』そして『APEX UW』のD.N.A.を継承しつつ、フェースのコントロールポイントを10倍にする驚異的な進化を遂げていた。ツアープロはフェアウェイウッドを変えることに慎重な選手が多い。5年、10年と同じフェアウェイウッドを使い続ける選手もいる。しかし、『ELYTE』のフェアウェイウッドはザンダー・シャウフェレ、アクシェイ・バディアが今季初戦から使いはじめた。その事実が性能の高さを証明している。
AIの新しいインプットがユーティリティの着弾範囲を狭くした
ユーティリティにもドライバー、フェアウェイウッド同様にコントロールポイントを増やした『Ai 10x FACE』を採用している。そして、もちろんリアルなゴルファーのスイングデータをインプットしたことにより、AI設計フェースが進化した。ユーティリティの『Ai 10x FACE』の特徴についてザック・オークリーは、
「ユーティリティになるとダウンスイングの角度がかなりスティープになり、入射角が上から打ち込むようなアングルになります。ミスヒットの傾向としては左右のズレだけではなく、フェース面の上下に対するミスヒットを想定したコントロールポイントを重視しています」
ユーティリティではAIへの新しいインプットも性能を高めている。
「キャロウェイは2009年にスーパーコンピューターを導入して、AIを活用した開発を進めてきましたが、AIにインプットできるコードも最初はボールスピードとルール適合であることというシンプルなコードでした。そこからボールスピンに関するインプット、さらに打ち出し角と増えていき、最近ではサイドスピンのインプットまで可能になりました。それもエンジニアを増員したおかげです。ユーティリティではグリーンに着弾してから、どのように左右に転がっていくかというところまで分析できるようになったことで着弾範囲が狭くなり、グリーンで止まる弾道が打てるフェースになりました」
LPGAプレーヤーの声から生まれた新しい調整機能
さらに調整機能も進化している。そこにはLPGAツアー選手からのリクエストがあった。
「キャロウェイのユーティリティはLPGAツアーでも沢山の選手が使っていますが、選手からのフィードバックとして弾道調整をしたいという意見がありました。一般のアマチュアゴルファーからもユーティリティでは左に飛ぶミスが多いという声もあった。開発段階ではライ角を調整できるプロトタイプを作ってLPGAツアーの選手に打ってもらうとすごく評価が高かった。その調整機能が『ELYTE』に採用した『ニューオプティフィット4』です」
『ニューオプティフィット4』ではロフト角、ライ角で7つの組み合わせから調整できるようになった。さらにトゥ側の約13グラム、ヒール側の約3グラムのウェイトを入れ替えることによって左右約12ヤードの弾道調整も可能になっている。
そして『ELYTE』のユーティリティにも名器『X2 HOT』から継承している部分がある。それがフェース素材に採用された飛距離性能が高いカーペンター455スチール。初代『X-HOT』から『X2 HOT』になるときに新しく採用されたカーペンター455スチールについて、当時CEOに就任したばかりのチップ・ブリュワーはこんなことを言っていた。
「このモデルはX2 HOTではない。X Too HOTだ。それくらいフェースが進化している」
キャロウェイのフェアウェイウッド、ユーティリティはAI設計による『Ai 10x FACE』と、キャロウェイの名器に継承されてきたD.N.A.を継承することで進化を続けている。
ELYTE FW
●SPE:ロフト角/15度(♯3)、16.5度(♯3HL)、18度(♯5)、21度(♯7)、20度(Heaven)、24度(♯9)、27度(♯11) シャフト/VENTUS GREEN 5 for Callawayなど 価格/6万7100円
ELYTE X FW
●SPEC:ロフト角/15度(♯3)、16.5度(♯3HL)、18度(♯5)、21度(♯7)シャフト/VENTUS GREEN 5 for Callaway 価格/6万7100円
ELYTE MAX FAST FW
●SPEC:ロフト角/16度(♯3)、19度(♯5)、22度(♯7)、25度(♯9)シャフト/LIN-Q GREEN 40 for Callaway 価格/6万7100円
ELYTE ◆◆◆ FW
●SPEC:ロフト角/15度(♯3)、18度(♯5)、21度(♯7) シャフト/TENSEI GREEN 60 for Callaway 価格/6万7100円
ELYTE UT
●SPEC:ロフト角/19度(3H)、22度(4H)、24度(5H) シャフト/VENTUS GREEN 5 for Callaway 価格/5万7200円
ELYTE X UT
●SPEC:ロフト角/18度(3H)、21度(4H)、25度(5H)、29度(6H)、31度(7H) シャフト/VENTUS GREEN 5 for Callaway 価格/5万7200円
ELYTE MAX FAST UT
●SPEC:ロフト角/18度(3H)、21度(4H)、24度(5H)、27度(6H)、30度(7H)、33度(8H) シャフト/LIN-Q GREEN 40 for Callaway 価格/5万7200円




