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ダウンブローに打てないのも、飛ばないのも、シャフトの使い方を知らないからです!

吉本巧のゴルフギア教室 第67回

2025/05/17 ゴルフサプリ編集部

インパクト,アイアン

地面にあるボールをダウンブローにとらえるには、シャフトのしなりを使えなければいけないと言うプロコーチ・吉本巧。スイング中、シャフトをどのようにしならせればいいのか、詳しく解説してもらおう。

インパクトでどれだけシャフトを“しなり返せるか“がポイント

“ショットの基本はダウンブロー”と言われます。地面にあるボールを打つ場合には、クラブヘッドのファーストコンタクトをボールにするのが先決。特にラフやバンカー、ベアグラウンドなど、悪いライから打つ時にクラブがボールに当たる前に地面に接すると、いいショットにはなりません。逆にファーストコンタクトがボールになると、必然的にヘッドの最下点がボールより先になる、いわゆるダウンブローになります。

「ダウンブローに打てない」と言うアマチュアの方が大変多いのですが、地面のボールに対してヘッドを下降させながら振っている以上、誰でもダウンブロー軌道にはなっています。では、なぜダウンブローに打てないのでしょうか? それはシャフトのしなりをちゃんと使えていないからです。長いクラブで飛距離が出ないのも同じ理由です。

トップ以降でシャフトは3回しなります。これらを順に、

1 しなり
2 しなり戻り
3 しなり返し


とします。

1は切り返しでのシャフトのしなりを指します。トップから切り返すと、ヘッドがそれ自体の重さで置き去りになりシャフトが大きくしなります。そこからダウンスイングに移るとヘッドが動くためしなりが弱まり、やがて元に戻って一直線になります。この一連の動きが2のしなり戻り。そして3のしなり返しでは、真っすぐになったシャフトが、加速して下りるヘッドの重みで、それまでとは反対方向にしなります。

2から3へタイミングよく移行できるとシャフトが正しくしなり、ダウンブローでボールをとらえられます。タイミングよくしなり返ることで腕力より大きな力が生まれ、クラブがオートマチックに動くのです。要はインパクトでどれだけシャフトをしなり返せるかがポイントです。

アマチュアの方がダウンブローで打てないのは、3のしなり返しのタイミングが早すぎるからです。クラブを速く振ろうとするほど手で下ろしがちですが、それだと切り返しからダウンスイングでヘッドが加速します。

ここでヘッドが加速することによって起こるのがアーリーリリースで、しなり戻りとしなり返りのタイミングが本来より早くなってしまいます。しなり返るとヘッドは上昇しますからインパクトですくい打つ格好になる。マン振りしてヘッドスピードを上げてもインパクト前にマックスになってしまい、肝心なところでヘッドが失速するのです。

アマチュアの方がダウンブローで打てないのは、3のしなり返しのタイミングが早すぎるからです。クラブを速く振ろうとするほど手で下ろしがちですが、それだと切り返しからダウンスイングでヘッドが加速します。

ここでヘッドが加速することによって起こるのがアーリーリリースで、しなり戻りとしなり返りのタイミングが本来より早くなってしまいます。しなり返るとヘッドは上昇しますからインパクトですくい打つ格好になる。マン振りしてヘッドスピードを上げてもインパクト前にマックスになってしまい、肝心なところでヘッドが失速するのです。

「上から打ち込め」というアドバイスもありますが、ダウンブローにならない人が意図的に打ち込んでも、しなり返りと相殺する(ヘッドをぶつける)だけになってボールの先のターフが取れるようにはなりません。やるべきはヘッドが加速するタイミングを遅らせること。フォローでしなり返るイメージで打てればダウンブローになり飛距離アップも望めるでしょう。

これを身につけるには軽く振る練習が効果的です。例えば切り返し以降を3~4割減のスピードで下ろします。これで10球ほど打つとヘッドが走る、あるいはボールを押す感覚が出てくるので、そこから徐々にグリップスピードを上げていきます。速く振るほどタイミングは取りづらくなる一方なので、ゆっくりからはじめるというわけです。ちなみに打った時の感じはシャフトのスペックによって微妙に変わります。

シャフトがしなり返りやすい場所は上半身の軸の正面です。ドライバーは軸を右に傾けて打ちますが、この体勢で体の正面でしなり返ると、結果的に左寄りにあるボールに対してヘッドがアッパーブローに入ります。ここがすくい打ちとは180度違うところ。ドライバーのアッパーブローはアッパーに振ることではなくシャフトのしなり返りによって起こっているのです。

インパクトでシャフトが効果的にしなり返ると、スイングの見た目も変わってフォローが大きくなります。しなり返りはヘッドが加速したことによる産物なので、それに引っ張られるように両腕が伸びてスイングアークが大きくなります。しなり返りが早すぎるとヘッドが早く減速するので両腕が伸びません。

ということで、ダウンブローで打つにしろ飛ばすにしろ、シャフトをうまく使うこと。シャフトをうまく使うこととは、静かにダウンスイングを始動することです。いまより加速を遅らせるだけで、シャフトの挙動が変わってきます。

吉本巧

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

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