飛ばしのパワーは地面反力に補ってもらおう！ お腹に力を入れて体が起こさないのが力を逃さないコツ！
【オジサンでも飛ばせるドライバーレッスン！】 人気コーチ・大西翔太がわかりやすくレクチャー|筋トレ不要の飛距離アップ法
年齢とともに飛ばなくなったと悩んでいるオジサンゴルファーたちに大西翔太コーチが親切アドバイス。第13回は地面反力を利用した飛距離アップのテクニック。「そんなの無理だよと最初から敬遠している方が多いのですが、コツさえつかめばすぐにできるようになりますよ」と大西コーチはいう。一度チャレンジしてみては!?
構成／三代 崇 写真／中野義昌 協力／船橋カントリークラブ
回転運動と体重移動に地面反力を効率よくプラスして最大飛距離をゲット！
ジャンプするように両ツマ先を蹴るイメージだが、頭の高さをしっかりキープ
ゴルフスイングは体重移動と回転運動、それに地面反力の3つの動きで成り立っています。誰しもこの3つの動きが必ず入っていますが、ドライバーでも方向重視のタイプは体重移動と回転運動をメインと考えていて、飛ばす人は地面反力を結構使うという違いが見られます。
そこで今回は飛距離アップを望んでいるオジサンゴルファーたちに地面反力の正しい活かし方を説明したいと思います。地面反力は両足のツマ先を蹴り上げるジャンプ動作ですが、あくまでも前傾角度をキープしてジャンプすることが重要なポイントです。
スイングの流れでいえば、トップからダウンスイングに向かうときに上体をいったん少し沈み込ませてからインパクトに向かって両足のツマ先で地面をつかむ感覚でジャンプ。両足のツマ先を蹴りながらクラブを左に振れば回転運動と体重移動が自然に入り、フィニッシュまでしっかり振り切れます。スイングスピードももちろん上がります。
「地面反力なんて難しすぎる」とか「地面反力を取り入れようとしてインパクトが安定しなくなった」といった否定的な声をよく耳にしますが、間違った地面反力でスイングしようとするからいろいろなエラーが起こるのです。
上に真っすぐ蹴ろうとしてインパクトで上体が起きて頭が浮いてしまうのは絶対にNGです。アドレスとインパクトの頭の高さは同じか、インパクトのほうが少し低くなるのが正しい地面反力です。
蹴る力をスピードとパワーに転換させるには腹圧を緩めないことが絶対条件
インパクトに向かって両足のツマ先を蹴る。蹴る力をスピードとパワーに転換させたいのですから「内圧」が大事です。上からの力と下からの力をぶつけ合ってカラダの内圧をかけるというイメージで、お腹をしっかり引き締めてパワーをためる意識を持ちましょう。
両足を蹴るということはジャンプするように両ヒザを一気に伸ばすので両脚のパワーが相当使えるようになり、体重移動と回転運動に拍車がかかります。
カカトを大きく浮かせなくても少し上げるだけで両足のツマ先で踏ん張る感覚が生まれます。地面反力はパワーがあまりなくて飛ばない人でも飛ばせる効果がとても高く、ボクがコーチしている青木瀬令奈プロや山下美夢有プロも地面反力の動きが見られます。
地面反力が使えれば左への体重移動と回転運動が入ってくるので、左足だけでも立てるようなフィニッシュをしっかり決めましょう。フィニッシュが崩れるのは地面反力が極端すぎるか動きを間違えている証拠です。
ドライバーショットは平らなティーイングエリアから打てるので地面反力を使いやすい条件が整っています。フェアウェイは平らな場所が案外少ないし、アイアンにしても飛ばすクラブではないので地面反力の動きを小さく抑えるのが理にかなっています。
地面反力はそれだけ飛ばしの要素が強いわけで、正しくマスターできれば誰でも飛距離がアップするはずです。両足のカカトの下にクラブくらいの太さの棒などを置いてカカトを軽く浮かせて素振りする練習や、クラブを持たずに額を壁や柱につけたままでシャドウスイングする練習で地面反力を体感してください。
大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方で青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、24年は安田祐香のメンタルコーチとして初優勝に貢献。女子プロの大西茜は実妹。
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