コースによってセッティングを替える日本のプロは意外に少ない
実のところ、日本の男女ツアーで“セッティング変更”をして戦うプロが全体の中でどのくらいいるかというと、おそらく3~4割くらいか、2~3割と言ってもいいくらいです。決して、多数派ではありません。
ベースのセッティングが“王道の組み合わせ”でムラなくキレイに並べている選手と、自分が打ちたい距離をキレイにクラブで分けている選手がいるので、そういう結果になるのでしょう。対して、PGAツアーのプレーヤーたちのセッティングはもっと個性的なので、コースによってクラブを入れ替えている選手はもう少し多いと思います。
長いパー3のティショットが打ちやすいクラブを選別する
そういう背景がありますが、アマチュアの場合は現実問題として、それほど多くのクラブを準備する資金力があるかどうかということが、まずは一つあります。それが“ある前提”でボクが提唱するとしたら、パー3ホールで使いやすいクラブを適切に入れること。これが一つの要素として分かりやすいところだと思います。
ここで言っているのは、短いパー3ではありません。180ヤードとか190ヤードといった長いパー3があるコースへ行ったときに、そのホールで使うティショット用のクラブが、自分のメインのセッティングに入っているかどうか。入っていなければ、長いパー3のティショットで使いやすいクラブを入れることが肝心です。
意外かもしれませんが、プロもクラブを変えるときって長いパー3のティショット用が多いんです。アイアンだとしんどいとか、FWだと構えにくいとか。じゃあそこで使えるUTを入れようとか。いや、ラインを出したいからアイアンを入れようとか。シンプルに「基準はそこ」って言ってもいいくらいです。
ラインを出したい? 球を上げたい? その中間がいい?
アマチュアがアイアンのヘッドを替えたモノを2つ用意するとか、セットごと替えるっていうのは、正直なところ現実的ではありません。それよりも、ロングアイアン、UT、ショートウッド、この3つのクラブで同じ距離が打てるモデルがあって、それらをコースによって入れ替えて使っていくほうが現実的です。
仮に、ドライバーのヘッドスピードが40~42m/sくらいの人だとしたら、今のアイアンのロフト設定で考えると、4Iで180~190ヤードくらいだと思うんです。その中で、キャリーがマイナス10ヤード(ランが10ヤード)として、その距離が打ちやすいアイアンはどれか。アイアンなのでラインが出しやすい、という特徴があります。それから、4Iとかを練習していれば5Iがやさしく打てるようになる、というプラスαの効果もあるでしょう。
逆にショートウッドは、キャリーでその距離が打ちやすいし、球の高さが出やすいです。その代わり、風に弱く感じやすい。そして、アイアンとウッドの中間にあるクラブがUTなんです。
それぞれの特徴を踏まえて、長いパー3のレイアウトやロケーションなどによってクラブを入れ替えていくのがいいでしょう。
もう一つは、そのコースに距離が長いパー3がなかったら、そこで使うクラブを抜いてウェッジを1本増やす、という“出し入れ”をする。コースによってそういうことを考えていくのが最も実戦的だと思うし、そうやって作戦を練るのもゴルフの楽しみの一つではないでしょうか。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。







