【絶対に使ってはいけないドライバーヘッド】チェックポイントはロフト、重心深度、ヘッド形状
吉本巧のゴルフギア教室 第70回

「絶対に使ってはいけないドライバーヘッド」、気にすべき点は大きく分けて3つ。それはロフト角、重心深度、ディープフェースかシャローフェース。吉本巧が詳しく解説します。
ロフト少なめ、重心深度が浅いディープフェースのヘッドは危険度大
まずは、ロフト角。10度以下だとアベレージゴルファーはちょっと危険。10度以上もしくは11~13度くらいあってもいいと思います。なぜロフトが少ないとよくないのかというと、球がつかまりづらく、上がらないから。球離れが早いのでスライス回転がかかりやすいので、曲がりやすく飛距離もロスします。
その点、ロフトが寝ているとボールがつかまって上がりやすいので、ちょっと寝ているかな、と感じるくらいがベスト。数字的には11度を目安にするといいと思います。といっても標準ロフトが11度のヘッドはあまりないので、モデルによってはカチャカチャで調整するしかないかもしれません。
次は重心深度。重心位置がヘッドのどこにあるかで深いヘッドと浅いヘッドがあります。重心深度が深いとスイング中のヘッドのブレが少なくなりますが、フェースの開閉はしづらくなります。フェースの芯に当たらなかった時でも打球が曲がりづらくなるのが大きな特徴です。
これに対し、重心深度が浅いとフェースの開閉がしやすくなります。自分でクラブを操作できる、あるいは操作したいタイプのプレーヤーならこのタイプのヘッドもいいでしょう。操作できなければ深いヘッドを使うべきです。近年は重心深度の浅いヘッドは減少傾向でしたが、ミニドライバーなどの形でリニューモデルが登場しています。

重心深度の見極めは簡単で、構えた時にフェースからテールまでの距離が長ければ深く、短ければ浅い。また、ソールにウエイトが装着されている場合は、ウェイトがフェース面から離れたところにあるほど重心深度が深いヘッドです。
重心位置についてはシャフトの軸線からヘッドの重心までの長さを示す重心距離というのもありますが、概念的には重心深度と同じ。重心深度が深いと重心距離が長く、重心深度が浅いと重心距離が短くなると考えていいでしょう。
ディープフェースかシャローフェースかは、フェースの厚みを見るとわかります。ディープフェースは厚く、シャローフェースは薄い、フェース面の高さが違うので、前者はフェース高が高く、後者はフェース高が低い、とも言います。例えば同じヘッド体積でディープフェースとシャローフェースがあるモデルの場合、ディープフェースはクラウン部が高くて丸みのある形状、シャローフェースはヘッド全体が平たい形状になります。
すでにお気づきの人もいると思いますが、形状の違いは重心深度に大きく影響します。すなわちヘッドが詰まった形になるディープフェースは重心深度が浅く、平たい形のシャローフェースは深くなるため、それぞれに重心深度の特徴がそのまま反映されます。デープフェースは球離れが早いけれどフェースが開閉しやすい。シャローフェースはその逆になり、重心深度が深いヘッドと同様の特性を有します。

ということで、ヘッドの特性からドライバーを選ぶ場合に、ボールがつかまらないアベレージゴルファーが使うべきではないのは以下になります。
1 ロフト角が10度以下
2 重心深度が浅い
3 ディープフェース
逆にヘッドスピードが速く、フェースの開閉を使って打ちたい人が使わない方がいいのは、
1 ロフト角が多い
2 重心深度が深い
3 シャローフェース
ということになります。あくまでヘッド単体に限った場合の適正で、ここにシャフトが絡んでくると双方とも使えるようになる可能性が出てきます。そうなると、ある程度ヘッドに好みを反映できるようになるでしょう。
おしまいにグリップについてですが、径の太さと、硬さがポイントになります。太さはフェースローテーションに影響します。太いとローテーションしづらく、細いとローテーションしやすい。後者は小さな力でヘッドを返せるので、返しづらい人は細いグリップ、返りすぎるようなら太いグリップにするといい。思った以上にクラブの動きに影響します。
硬さは好みで選んでいいと思います。握力がある人は硬く、ない人は軟らかい方がいいように思えますが、力があっても軟らかいグリップを好む人もいれば、力がないけれど硬いグリップが好きな人もいるので、そこは自由で構いません。むしろ気にするべきは、グリップした状態でいかに力を抜けるか、の一点。太さとの兼ね合いも考慮し、力を抜いた状態でフィットするものがベストです。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

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