キャビティにも見えるし、ポケットキャビティにも見える

アイアンのヘッド構造を大きく分けると、今までは「ブレード」「キャビティ」「ポケットキャビティ」「中空」という4タイプでした。ここでゴルファーの皆さんに聞いてみたいと思います。人気モデルの「スリクソン ZXi」シリーズや「258CBP」のバックフェースやヘッド形状を見たときに、これらのモデルは4タイプの中のどれだと思いますか?

なかなか答えられない人が多いのではないでしょうか。「ブレード」「キャビティ」「ポケットキャビティ」「中空」という種類がある中で、今から5年よりもうちょっと前くらいまでは、少なくとも「キャビティ」までは軟鉄鍛造で“一枚モノ”でした。異素材があまり入っていないモノが多かったんです。

見た目よりもやさしいヘッドが開発されるようになった

しかも「ポケットキャビティ」の中でも、ただのアンダーカットをしている“一枚モノ”のポケットキャビティと、3ピース構造のポケットキャビティなどが混在していました。もう一つの「中空」は、明らかに見た目や構造が違います。

このように、もともとはタイプごとに違いが分かりやすかったんです。でも今は「スリクソン ZXi5」を例にとってみても、異素材を入れたりヘッド素材を変化させたりして“見た目はキャビティ”だけど、ひと昔前の「ポケットキャビティ」や「中空」と同じくらいの慣性モーメントの大きさにしたり、球の高さを出すために重心が低め・深めに作られたりしています。

アイアンのカテゴリーが、より細分化されている

あくまでも「軟鉄鍛造(フォージド)」っていう曖昧で大きな括りの中で、メーカーもそこをアピールするし、メディアもそのように取り上げますが、今は4タイプでは分けきれないくらい多くのヘッド構造があります。アイアンの“構造改革”が進んだことで、そういう現象が起こっているということ。
その結果として「今どきのキャビティアイアンはやさしい」というのは間違いありません。進化しているのですから。それと同時に「今までの括り方ではなくなっている」ということを認識してほしいです。

4タイプの“良いとこ取り”をした先進系アイアン

「スリクソン ZXi5」は構造でいえば「ポケットキャビティ」のようだけど見た目は違うようだし、「258CBP」は「ポケットキャビティ」(360度ポケットキャビティ)と謳っています。もっと言えば、フェースの素材を変えて薄肉に作れば「中空」の要素も加わるでしょう。

4つのタイプの良いところを合体させて一つのカタチにしているのが今どきのアイアンなので、結果的にやさしくなる。それが高い人気につながっているのではないでしょうか。

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。