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テーラーメイド「MG5」ウェッジが鋳造から鍛造に! スピン性能がググッと良くなったぞ!

ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第204回

2025/08/15 ゴルフサプリ編集部 T島

テーラーメイド,MG5,ウェッジ

テーラーメイドの新しいウェッジ「MG5」を試打してきたというゴルフギアライターのT島氏。スピンがすごいかかる! と大蔵ゴルフスタジオのフィッター・野倉氏に報告していたら、いつしか話は鍛造と鋳造の違いへと話題が変わっていった。スピンは軟鉄鍛造と軟鉄鋳造、どちらがかかるのだろう?

軟鉄鍛造になって打感が良くなった「MG5」

T島 テーラーメイドの新しいウェッジ「MG5」を打ってきました! 前作よりもかなり進化していて、すごく良かったです。ソールのバリエーションは6種類に増えています。
野倉 T島さんのブログで読みました。「MG4」までは軟鉄鋳造だったけど、「MG5」は軟鉄鍛造になったんですね。
T島 そうなのです。打感がかなり変わった。柔らかさの中に芯があるというか、ボールが乗る時のズンっていう感覚が「軟鉄鍛造だなぁ」という打感です。フェースに乗るので、出球が低くてスピンが入ってるのがわかります。

MG5

野倉 スピンが入るウェッジは出球が低くなりますね。いわゆる“食いつき”が良いというか。
T島 そうなのですよ。食いつきといえば、ブリヂストンの「B-Limited BITING SPIN フルミルドウェッジ」、通称無限ウェッジというのがあるじゃない? あのウェッジを打ったら、ビックリするぐらい出球が低いのです! 56度で打ったのに、「あれ? 52度で打った?」と思うぐらいにスピンがギュルギュルかかる。
野倉 そんなに凄いんですか?
T島 はい。コースで打たせてもらったけど、アプローチのイメージが変わってしまう。「試打用をお貸ししましょうか」とメーカーの方に言われましたが、丁重にお断りしました。
野倉 欲しくなっちゃうと困るからですね!
T島 正解。「MG5」もすごくスピン性能が高いです。軟鉄鍛造だからスピンが入るというわけではなくて、スピンがかかるフェース、ソールになっているからです。
野倉 軟鉄鋳造でもタイトリストのボーケイ「SM10」はしっかりスピンが入りますからね。
T島 スピン性能は、溝、フェースの水平精度、ソールとの相性で決まると思っております。素材は関係ないです。でも日本のゴルファーは軟鉄鍛造が大好きです。
野倉 そうですね。日本のメーカーは軟鉄鍛造のウェッジ。海外ブランドは軟鉄鋳造というイメージがありますけど、何が違うのでしょう?

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T島 まず、日本には軟鉄鍛造信仰があること。国内に作れるところが沢山ありますね。ところで、T島の個人的な考えですけど、軟鉄鋳造の軟鉄って、「軟鉄と名乗っていいのかい?」と思うのです。
野倉 そもそも使っている鉄が違いますよね?
T島 軟鉄とは、炭素含有量の少ない鉄(最大で約0.3%)です。軟らかく、加工しやすいため、打感もソフトという特徴がある。そもそも、軟鉄は鋳造には向かない。「軟鉄鋳造」というモデルのほとんどが、中炭素鋼(同0.6%)や合金鋼(同2.14%)を使用しているんです。ややこしいのが、だからと言って、軟鉄鋳造の打感が硬いというわけでもない。
野倉 軟鉄鋳造の方が打感がやわらかいから好き、というツアープロもいますよね?
T島 はい。そもそもアイアンやウェッジは軟鉄鍛造がほとんどだったのです。鋳造という技術を積極的に取り入れたのは、ピンの創業者であるカーステン・ソルンハイム。名器ピンiシリーズを作る際に、安価で高精度な物を作るために鋳造を取り入れたんですね。
野倉 なるほど。ピンi2はステンレス鋼ですよね。精度を高めるために鋳造にしたと思いますが、現在は鍛造技術が進化して、鍛造でも精度が高くなったということですか?
T島 正解です。海外ブランドが軟鉄鋳造にこだわるのは、コストでしょうね。軟鉄鍛造のほうがコストがかかるのです。それから、海外は日本のような軟鉄鍛造信仰がありません。

野倉  タイトリストが、ボーケイフォージドを日本のマーケットに供給し続けているのはその辺が理由ですかね。でも、ボーケイフォージドは、日本のゴルファー向けにもなっていますし、日本の芝に合う形状になっています。
T島 打感も柔らかいから“全部良い”ってなると、鋳造でもいいし、中空でも樹脂入れてしまえば良いわけだし、軟鉄鍛造の芯のある柔らかさとは違うわけですよ。
野倉 大蔵ゴルフスタジオのフィッターからすると、軟鉄鍛造のアイアンやウェッジの方が、鉄自体の柔らかさがあるので、ライ・ロフトやフェースの見え方の調整が俄然しやすいです。
T島 大蔵ゴルフスタジオの得意技だからね、オフセットはそのままでロフトを調整するとか、それは鍛造のほうがやりやすいでしょう。
野倉 そうですね。キッチリやりやすいのです。
T島 逆に打感なんて結局好みなんだから、軟鉄鍛造、軟鉄鋳造どちらにも良さがあって、どっちが優れているというものでもないと言えます。
野倉 軟鉄鍛造はコストがかかるということは、やはり売価にも反映されますよね。
T島 鍛造をCNC(コンピューターミルド)して、ソールの再現性を出していくという手法なので、「MG5」とかは2万9700円と高価ですが、職人さんが削るよりも精度が高いです。
野倉 買い替えても違和感がないということですね。
T島 最後にで、ウェッジを買い替える際、出来たらシャフトは同じものを使い続けていただけると、違和感が生まれにくいかと思います。
野倉 そうですね、ウェッジってシャフトはなんでも良いと思っている方が意外と多くて、ウェッジのシャフトフィッティングすると、皆さん驚かれます。「シャフトでこんなに違うの?」と。
T島 そうなんです。T島は日本シャフト モーダス120と心に決めています。大事なことなので繰り返しますが、軟鉄鋳造と軟鉄鍛造ですが、どちらが優れているではなく、お好みで選んで大丈夫です。ちなみにT島は「MG5」の打感が好きです。ボーケイならフォージドを間違いなく選びます。
野倉 軟鉄鍛造信仰でなく 好みみたいです。
T島 はい。そうなんです。皆さんも打ってみて決めて下さい。

T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。

大蔵ゴルフスタジオ

上記動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。

取材協力/大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所:〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間:11:00〜19:00
定休日:毎週月曜日
TEL:03-6413-9272
https://www.ogs-p.jp/



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