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「CAT Ladies」で2年ぶり優勝の櫻井心那 ウッドの“カチャカチャ”はバラバラで、ウェッジは1度寝かせ その意図は?
先週の日本女子ツアー「CAT Ladies」は櫻井心那が2シーズンぶりのツアー通算5勝目を挙げた。そのバッグを覗いてみると、ドライバーとフェアウェイウッドの“カチャカチャ”(弾道調節機能)は全てポジションがバラバラ。さらにウェッジはロフトを1度寝かせていた。その意図は何なのか?
ドライバーは「B1」、 3W「D4」 、8W「A1」
今年からクラブ契約がフリーになった櫻井のセッティングは、ドライバーと2本のフェアウェイウッド(FW)は「GT2」。ウェッジは46度と52度が「SM10」。58度は「ウェッジワークス」(いずれもタイトリスト)となっています。
読者の皆さんも気になるであろう、優勝選手の使用クラブチェックと撮影は、最終日の取材で欠かせません。
ですが、櫻井のクラブをチェックしていると思わず???となりました。
ドライバーとFWは「GT2」で統一されていますが弾道調節機能、いわゆる“カチャカチャ”のポジションがドライバーから順に「B1」「D4」「A1」と見事にバラバラだったのです。
一般アマチュアでも、ドライバーやFWが同じメーカーならカチャカチャのポジションも同じにすることが多いのではないでしょうか。
これにはどのような意図があるのか気になるところです。
そこでコーチの目澤秀憲さんに聞いたところ「打ちたい球筋と『距離の階段』を揃えるためにこうしています」と説明してくれました。
ロフト13.5度の2番ウッド?を使う意図は?
FWは13.5度と21度の2本。
13.5度というと、2番ウッドと呼ばれていたクラブのロフトに相当。男子のハードヒッターが使っているイメージです。
櫻井の平均飛距離は252.18ヤードでツアー9位とはいえ、このハードスペックを使う理由はどこにあるのでしょう?
やはり目澤コーチに聞いたところ、「実際のロフトは14度ぐらいありますから」とのこと。
タイトリストのサイトによれば、カチャカチャの「Sure Fit」を4にするとロフトがプラス0.75度になるので、14.25度。
一見すると超ハードスペックも、ちょっとロフトが立っている3Wというのが実際のところです。そして次の番手が7Wとなっているのも、ユーティリティやアイアンとの流れをよくすることが理由です。
シャフトがあらぬ方向を向いているわけは
ちなみにタイトリストの「Sure Fit」は、数字のスリーブがシャフトに対して固定される構造です。
そのため「B4」にしている13.5度はシャフトの「TENSEI」のロゴがあらぬ方向を向いていました。プロや、リシャフトにこだわるアマチュアは、ロゴが下向きになるよう装着することが多いもの。
これにも意図があるのかと思いきや「理想のポジションを探してたらこうなっただけで、特に意味はありませんよ」と目澤コーチはいいます。
さらにアマチュアに参考になりそうなコメントとして「ドライバーとFWのポジションは、打ちたい球筋によって、それぞれ違うのにするのあり、ですよ」とのことです。
ドライバーとFWが同じメーカーだと、カチャカチャのポジションを決めると、流れで全て同じにした方がいい、と考えるアマチュアは多いでしょう。
ですが、それも一度再考すると飛距離の階段が上手く埋められたりして、ゴルフがより良くなるかもしれません。
ウェッジを1度寝かせる理由
また、46度と52度の「SM10」もそれぞれロフトを1度寝かせていました。
これは「バウンスを増やして抜けを良くするのと、飛距離の階段を調整するのが目的です」(目澤コーチ)
昨年までの櫻井は、ショートゲームでクラブが下から入って、“すくい打ち”のようになってしまい、スピンコントロールに難があったそうです。
これを1度寝かせてバウンス角も1度増え、ヘッドの抜けが良くなったことで「スティープ(鋭角)に入れられるようになって、スピンコントロールができるようになりました」(櫻井)。
カチャカチャは自分でポジションを変えられますし、ロフト調整もゴルフショップや工房で簡単にできるので、参考にしたいアマチュアは試してみるのもあり、ですね。
パターが「アンサー4」なのは…
キャディーバッグの中で異彩を放っていたのが、いかにも年代モノのパター、ピンの「アンサー4」でした。
パターというと大型マレットやゼロトルクなど「やさしさ」を売りにするモデルが全盛の時代の流れに全く逆行しているようなモデルです。
これも「一般的には『難しい』と言われているかもしれませんが、心那には合っているだろう」と判断した目澤コーチが、15年ほど前から所有しているものを使ったのだそうです。
特にパターは上級者向け、難しい、と言われるようなモデルでも、構えたりストロークしてみると意外に心地良かったりするかもしれません。
その感じ方は、人それぞれ。
パターはショップのマットでも手軽に試せるので、色々と打ってみると、予想外のモデルが最高の相棒になるかもしれませんね。
(取材・文/森伊知郎)
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