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芯に当たりやすい高さは意外と低い? アイアンのティショットが飛ばないのはティアップの高さが原因だった!

勝又優美は見た!「そのスイング改造、いりません」Case.29

2025/09/19 ゴルフサプリ編集部

これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンした勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、その解決方法を紹介するシリーズ。ゴルフが好きだからこそ陥りがちな”スイング改造の落とし穴”。今回のテーマはアイアンでのティショット。特にワンオンさせたいパー3でのダフりを恐れるアマチュアはティアップを高めにして防御策を図るが、逆にそれで墓穴を掘っていることが多いという。一体どういうこと?

アイアンのティアップが高いほど、あおり打ちになりやすい

今回の内容はスイング改造というよりセットアップ改造といった方がいいかもしれません。アマチュアの方がアイアンでティショットを打つ時、特にパー3でミスしないよう安全に当てようと思うと、ついついティアップを高くしがちです。おそらく、その方がダフりづらいと考えてのことだと思いますが、案に相違してダフってしまうとティアップがますます高くなり、気がつくとドライバーの低めバージョンのようになっている人さえいます。

みなさんにはそこまでいく前に、ティアップの高さがミスの原因になることに気づいてください。なぜティが高いとダメなのかといえば、アイアンはダウンブローで打ちたいのに、アッパーブローで打てるスペースを与えてしまうからです。

ティアップが高いとインパクトに向けてヘッドが下から入るスペースができてしまう。ダウンブローに打つには芝の上から打つイメージが必要だ。
ティアップが高いとインパクトに向けてヘッドが下から入るスペースができてしまう。ダウンブローに打つには芝の上から打つイメージが必要だ。

この場合、アイアンのアッパーブローとは、すくい打ちのこと。ティアップとはボールが地面より浮いたところにあるということですから、ヘッドが下からボールに向かうスペースができます。こうしてすくい打ちになるとロフトが増えて番手本来の飛距離が出ません。
また、だるま落としのようなミスになることもあれば、ボールが上がりやすい最近のアイアンは重心位置が低いので、うまく振れても打点がフェースの上になりやすい。するとスピンが十分にかからず、お辞儀をするようなドロップ気味のボールになります。ミドルアイアン以上だとさらにそうなりやすい。もちろんその場合も距離が出ません。

すくい打つとインパクトでフェースが上向きに。ロフトがついて飛ばない。また、フェースの上っ面に当たるミスも出る。
すくい打つとインパクトでフェースが上向きに。ロフトがついて飛ばない。また、フェースの上っ面に当たるミスも出る。

ということで、アイアンのティショットの精度を上げたければ、地面から打つのに近い高さでティアップした方が成功率は上がります。スタートホールがパー3のコースを除けば、ラウンドではパー3までアイアンを何度か打っていると思うので、なるべくそれと同じように打つべき。たとえそこでダフっていてもティアップは高くしないこと。高くするほど、違う打ち方をすることになってミスしやすくなります。

スイングのポイントは、なるべくフォローを低く出すことです。結果的にそうなるのがベストですが、すくい打つクセがついていると、すぐには変わらないかもしれないのでフォローを意識してみてください。ボールの前に目標を設けて、そこをめがけて振り抜くといいでしょう。

ティアップの高さはティの頭のお皿だけ出るくらいが適当。
ティアップの高さはティの頭のお皿だけ出るくらいが適当。
スイングではフォローを低く出すことを心がけよう。
スイングではフォローを低く出すことを心がけよう。

適正なティアップの高さはフェアウェイの良いライくらいの高さ。この方がダウンブローに入った場合にフェースの芯に当たってスピンが入り適度にボールが上がります。実戦でティイングエリアにディボットがあったら、その後ろにティアップすると、打ち込んでもクラブが突っかからないので機会があればやってみてください。

勝又優美

勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。

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