40グラム台が軽量なんてもう古い!? 今すぐ見直したいドライバーシャフトの重さ選び
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第87回
ドライバーのシャフトというと「6・S」がスタンダードだった時代があり、現代は「40グラム台が軽量」というのが一般的なイメージじゃないだろうか。しかし、軽量シャフトが巷で増えている今、カリスマフィッターの鹿又さんは「シャフトの重量に対する概念をそろそろ変えていきましょう」と提言する。
純正シャフトは40~50グラム台が多い
今のシャフトの傾向からお話ししましょう。純正シャフトで考えたときに、プロユースモデルは50グラム台が中心です。そして、いわゆる“LS系”とか球が吹き上がって困っている人をターゲットとするモデルは、60グラム台がラインナップされていることもあります。
逆に「ゼクシオ」に代表される、HSが40m/s前後のアマチュアをメインターゲットにしたモデルの純正シャフトは、40グラム台が中心です。この傾向はここ数年ずっと続いているので、もはや40グラム台が軽量シャフトではありません。
女子プロから支持されるカスタムシャフトは40グラム台から
それでは、アフターマーケットもしくはカスタムシャフトのトレンドを見ていきましょう。
圧倒的にみんなが知っていて、リーダー的な存在になっているシャフトが、フジクラの「ベンタス」シリーズです。PGAツアーや日本の男子ツアーでの使用率も高いシャフトで、この「ベンタス」シリーズは50グラム台からラインナップされています。多くのプロが使うモデルでありながら。
分かりやすい比較例としては、同じフジクラのシャフトで、女子ツアーで圧倒的な使用率を示す「スピーダー NX」シリーズは、40グラム台からラインナップされています。ということから見ても分かるように、ハイヘッドスピーダー向けのシャフトは50グラム台から、一般的なHS層のシャフトは40グラム台から、というのがトレンドです。
カスタムシャフトでも30グラム台が台頭する
なので今「軽量シャフト」というカテゴリーを捉えるのであれば、30グラム台になります。
そこに該当するシャフトは、フジクラで言えば「エアスピーダー」であり、「ゼロスピーダー」に至っては20グラム台に。三菱ケミカルでは「ヴァンキッシュ」シリーズや「グランド バサラ」シリーズに30グラム台のスペックがあります。新しいモデルで言うと、グラファイトデザインの「ツアーAD Lia(ライア)」やUSTマミヤの「アッタス スピード」は、どちらも30グラム台です。
ここが今の「軽量シャフト」です。シャフトを軽くしてHSが上がるのであれば飛距離アップが望めるし、また、筋力が落ちている人は今までより少ないチカラで今までと同じ距離が打てる、という効果はあります。シャフトの重量に対する概念を、そろそろ変えていきましょう。
軽くしてヘッドスピードを上げるか、重くして力いっぱい振るか
ここで注意点を言うとしたら、クラブを軽くしたら軽くなったぶんだけしか力を入れないゴルファーもたくさんいます。だから「軽いクラブが最善」というわけでもありません。
「重いクラブが良い」という人もいっぱいいます。ゴルフ歴を重ねて高齢になっても、重いクラブを振ったほうが自然に力を入れられてスピードが上がって飛ばせる、というタイプのゴルファーもいるので。
自分がどっちのタイプなのか、どういうプレースタイルにするのか。疲れないようなクラブにするのか、力いっぱい振りたいのか。といった要素も含めて、シャフト重量を考えてもらいたいですね。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。
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