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脇元華、プロ8年目、210試合目の初優勝!! 優勝へ導いたクラブへのこだわりとは?【「伊藤園レディス」最終日】
悲願の初勝利を挙げた脇元。クラブのこだわりは?(写真/Getty Images、森伊知郎)
日本女子ツアー「伊藤園レディス」最終日(16日、千葉・グレートアイランド俱楽部)は2打差の8位から出た脇元華が8バーディー、1ボギーの65で回り、2位に3打差をつけて優勝した。プロテスト合格から8年目。ツアー通算210試合目(アマチュアで出場した8試合を含む)での嬉しい初勝利の裏には、クラブへのこだわりがあった。
初勝利までの道のりは、ツアー歴代15番目の長さ
プロテストに合格したのは2018年の夏。
当時は「すぐに優勝して、25~26歳になったらアメリカ(LPGAツアー)に行く」との青写真を描いていた脇元ですが、プロになってから要した試合数は202試合。
アマチュアで出場した試合も含めると、ツアー史上15番目の長さとなった210試合目での初優勝の緊張感は最終ホールに表れていました。
1メートルほどのパーパットはカップを4分の3周ほどして、入らず。
次のボギーパットはより痺れる場面ですが、2位と4打差があったことが大きなアドバンテージになりました。
ラウンド中はリーダーボードを見なかったため、2位との差もわからない状況でしたが、グリーンサイドで仲のいい原英莉花が出迎えをしてくれていたことで「勝ったのかな」と実感が湧いてきました。
「7アンダーで回る」との狙い通りのスコアで回った最終日に活躍したクラブは
首位と2打差から出て「7アンダーで回る」と狙いを定めた最終日に、威力を発揮してくれたクラブが3番UT(G425、ピン)でした。
脇元は4、5番のUTは同じG425をバッグに入れていましたが、3番を入れるようになったのは今週からです。
その理由は「180ヤードを打つクラブがなくて、5番ウッドで抑えて打っていたんですけど、それだと薄く当たった時に飛距離が落ちてしまうんです。しっかり打って180ヤードのクラブが欲しかったので」という理由で投入しました。
今週から投入の3Uでのベタピンショットで単独首位に
実測距離が183ヤードと、まさに3Uの出番となった7番パー3のティショットは奥2メートルにピタリとオン。このバーディーパットを決めて単独首位に立ちました。
今週、1日1回は重要な仕事してくれたクラブを入れた判断は、大正解でした。
アマチュアも参考になる、ウェッジをカーボンシャフトにする理由
脇元がプロ転向以来使い続けているウェッジ(RM-22、フォーティーン)には重さ90グラム台のカーボンシャフト(フジクラ、MCI)が挿さっています。
女子でもプロではウェッジだけはスチールにする選手も多い中、重量が軽めのカーボンにするのは「最終日に疲れてきた時にスチールシャフトだと距離が落ちてミスした時にグリーン手前のバンカーに入ってしまったりする。それがカーボンシャフトならならミスしても手前ぐらいまでは行ってくれるので」というのが理由です。
日本女子ツアーのサンドセーブ率トップは柏原明日架の64.64%です。
脇元は36.2637%でこの部門78位、なのでバンカーに入れるとパーセーブは厳しくなります。
それよりも花道などにあればボギーの確率はグンと減る、という選択。
最近は一般アマチュアでもウェッジはアイアンと別物にして、シャフトもスチールという人が多そうですが、ラウンド後半に疲れて飛距離が落ちてしまう、という人は参考になりますね。
パターは男子でも大人気のスコッティキャメロン
パターはスコッティキャメロンの「P5 SSS」を、タイトリストのツアー担当が「華ちゃんに合っていると思う」と持ってくてくれたモノを2週前の「三菱電機」から投入しました。
このパターは男子ツアーでも大人気で、選手が「欲しい」と希望しても手に入らないほどなのだそうです。
先週の「TOTO」は出場資格がなかったので、使うのは2試合目。
それがドンピシャではまったのはツアー担当の見立ての良さもあったといえるでしょう。
シード落ちの危機→最終戦で宮崎凱旋!
先週までのポイントランキングは58位でシード(50位まで)陥落のピンチでした。
それが優勝で、シードはもちろん最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」に出られることになりました。
地元宮崎での大会は、昨年初出場を果たしたものの「やっぱり優勝して出たい」と思っていたのを念願の達成です。
名前の通り、“華”のある選手の初優勝は、必然ともいえる要素が詰まっていました。
(取材・文/森伊知郎)
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