目次
フィッティングメニューは「座学」「フィッティング」「ラウンド」の3本立て!
ボールフィッティングに参加したのは、内山諒さん(22歳/平均スコア85)、冨田修一さん(66歳/平均スコア85)、中澤洋さん(42歳/平均スコア85)、森内進之介さん(45歳/平均スコア98)、森虎琉さん(21歳/平均スコア78)、涌井恭子さん(平均スコア100)(五十音順)の6人。みなさん関心をもってボールを使っているものの、それが自分に合っているのかとなると“?”。この機会にフィットするボールに出会えればと考えている。
今回のフィッティングは「座学」→「フィッティング」(練習場)→「ハーフラウンドでの実戦テスト」の3本立て。最後のハーフラウンドには今回特別に石井良介プロが同行してくれた。ということで、まずは座学で参加者に伝授されたボール選びの3ポイントを紹介しよう。講師はタイトリストのゴルフボールフィッティング マネージャー・向井伸吾さんだ。

Chapter1 Lecture[座学]
ボールに対する考え方とボール選びの3ポイントを確認
ポイント1 ボールは1つに決める
「クラブのフィッテイングではご自身が使っていない試打用ボールでデータを取る場合が多いです。しかしコースではそのボールは使わないのでデータ通りの球は出ません。果たしてクラブ選びはそれでいいのでしょうか?」と向井さん。言われてみればその通り。「だから最初に選ぶべきはボールなのです」と続けた。そう言われるとツアープロは容易くボールを替えない。替えることによるデメリットが大きいからだ。
「現在タイトリストでは10種類のボールを販売しています。他メーカーも合わせると販売店のボールは膨大な数ですが、その全てが違った個性や性能をもっています。価格もその要素の一つ。一人でも多くのゴルファーのニーズに応えるため、あれだけの数があるのです」(向井さん)。クラブにしろボールにしろ、性能がプレーに影響するのは言うまでもないこと。フィットするか否かでスコアが変わるのだから、常に自分に合った1つのボールでプレーしなければならないのは当然なのだ。

ポイント2 トータルパフォーマンスの高いボールを選ぶ
ティショットやパットではスコアの差はほとんど生じない。なぜならドライバーとパターは全てのゴルファーがほぼ均等に使うからだ。となると、スコアを左右するのは2、3打目やアプローチなど、グリーン方向に打つスコアリングショットになる。「スコアアップのポイントはいかにスコアリングショットを減らすか。グリーンに乗る確率、パットが入る確率を上げることです」と向井さん。トータルパフォーマンスの高いボールとはこれを満たすもの。ショットがグリーンに止まり、アプローチがカップの近くに止まるボールだ。とかくアマチュアは飛ぶボールを欲するが、向井さんによれば「いわゆるディスタンス系ボールとプロV1の飛距離は、変わったところで2ヤード程度です」とのこと。2ヤード飛ぶボールを選ぶかスコアの底上げを選ぶかは火を見るよりも明らかだ。

ポイント3 ヘッドスピードでボールを選ばない
トータルパフォーマンスが高いボールとは、言い換えると全てのヘッドスピードで性能を発揮するボールのこと。ゴルフではさまざまなヘッドスピードでボールを打つからだ。ところがほとんどのアマチュアはドライバーのヘッドスピードをボール選びの拠り所にしている。「ドライバーショットのデータがよくても、ドライバーを使うのは1ラウンドで14回ほどですから、スコアリングへの影響は少ないです」(向井さん)。というわけで、ヘッドスピードをボール選びの目安にするのは大間違い。ちなみに一般アマチュアの場合、7割がスピン量不足、2割が適正で、1割がスピン過多とのことだ。「よく聞かれますが、”どのボールが飛びますか?”という質問はハッキリ言って無意味。今の時代、飛ばないボールはありません。飛んだのは、すべからくナイスショットしたからです」(向井さん)。
Chapter2 Fitting[フィッティング]
スコアリングショットのデータを目安に2つのボールに絞り込む
弾道測定器のデータや参加者からのヒアリングを参考に、フィットすると思われるボールを選択し、2モデルに絞り込むのがこの段階のアウトライン。測定に使うクラブはウェッジ、7番アイアン、ドライバーの3本で、打つのもこの順番。データ面で重視されるのはChapter1で示されたスコアリングショットで使われることが多いウェッジと7番アイアンだ。
以下が6名の実打データで、数発打った中からベストに近いショットをピックアップしたもの。ウェッジは50ヤード、7番アイアンはフルショットし、それらのデータを参考に推奨ボールを2つに絞った。各々のデータの下に列記したのが最終候補で、コースでのラウンドでテストにかける。※データ:トラックマンで計測。条件:同一ボール・同一環境。
内山諒さんのデータと推奨ボール(プロV1x)
| ウェッジ キャリー | 47ヤード |
|---|---|
| ウェッジ スピン量 | 8182rpm |
| ウェッジ 打ち出し角 | 32.7度 |
| ウェッジ 落下角度 | 41.1度 |
| 7番アイアン キャリー | 159ヤード |
| 7番アイアン スピン量 | 5156rpm |
| 7番アイアン 打ち出し角 | 24度 |
| 7番アイアン 落下角度 | 47.3度 |
| 推奨ボール | プロV1 / プロV1x |

冨田修一さんのデータ上での本命推奨ボール(プロV1x)
| ウェッジ キャリー | 53.5ヤード |
|---|---|
| ウェッジ スピン量 | 7234rpm |
| ウェッジ 打ち出し角 | 29.7度 |
| ウェッジ 落下角度 | 44度 |
| 7番アイアン キャリー | 140ヤード |
| 7番アイアン スピン量 | 4553rpm |
| 7番アイアン 打ち出し角 | 22.3度 |
| 7番アイアン 落下角度 | 43.2度 |
| 推奨ボール | プロV1 / プロV1x |
中澤洋さんのデータ上での本命推奨ボール(プロV1x)
| ウェッジ キャリー | 47ヤード |
|---|---|
| ウェッジ スピン量 | 5151rpm |
| ウェッジ 打ち出し角 | 34度 |
| ウェッジ 落下角度 | 42.2度 |
| 7番アイアン キャリー | 154ヤード |
| 7番アイアン スピン量 | 5082rpm |
| 7番アイアン 打ち出し角 | 25.4度 |
| 7番アイアン 落下角度 | 51.1度 |
| 推奨ボール | プロV1 / プロV1x |

森内進之介さんのデータ上での本命推奨ボール(プロV1x)
| ウェッジ キャリー | 43.8ヤード |
|---|---|
| ウェッジ スピン量 | 6013rpm |
| ウェッジ 打ち出し角 | 29度 |
| ウェッジ 落下角度 | 37.2度 |
| 7番アイアン キャリー | 131.4ヤード |
| 7番アイアン スピン量 | 4573rpm |
| 7番アイアン 打ち出し角 | 17.7度 |
| 7番アイアン 落下角度 | 44度 |
| 推奨ボール | プロV1 / プロV1x |
森虎琉さんのデータ上での本命推奨ボール(プロV1)
| ウェッジ キャリー | 48ヤード |
|---|---|
| ウェッジ スピン量 | 8783rpm |
| ウェッジ 打ち出し角 | 30度 |
| ウェッジ 落下角度 | 39.9度 |
| 7番アイアン キャリー | 158ヤード |
| 7番アイアン スピン量 | 7134rpm |
| 7番アイアン 打ち出し角 | 22.2度 |
| 7番アイアン 落下角度 | 52.1度 |
| 推奨ボール | プロV1x / AVX |

涌井恭子さんのデータ上での本命推奨ボール(プロV1x)
| ウェッジ キャリー | 50ヤード |
|---|---|
| ウェッジ スピン量 | 6998rpm |
| ウェッジ 打ち出し角 | 28.4度 |
| ウェッジ 落下角度 | 38.5度 |
| 7番アイアン キャリー | 78.2ヤード |
| 7番アイアン スピン量 | 3411rpm |
| 7番アイアン 打ち出し角 | 18.2度 |
| 7番アイアン 落下角度 | 25.3度 |
| 推奨ボール | プロV1 / プロV1x |
推奨されたタイトリストボールはこんなボール
プロV1
スコアアップを目指すすべてのプレーヤーに卓越したトータルパフォーマンスを提供するボール。中弾道でロングゲームではスピン量を抑え、ショートゲームでは優れたスピンコントロール性能を発揮する、ソフトな打感を好むプレーヤーにおすすめ。
プロV1x
飛距離の最大化とグリーンでしっかりボールが止まる性能が共存。ロングゲームでスピン量を抑え、ショートゲームでは高いスピンコントロール性能を発揮するが、弾道はプロV1より高め。ソフトながらも芯を感じる打感を好むプレーヤーにおすすめ。
AVX
極めてソフトな打感を求めるプレーヤーにおすすめの3ピースボール。ロングゲームでは低スピン性能、グリーン周りでは高いコントロール性能を発揮する。弾道はプロV1よりも低め。
ボールフィッティング最終章はテストラウンド。フィッティングで最終候補に残った2つのボールを実戦でテストした。今回はこのハーフラウンドにゴルフサプリでもお馴染み、令和の試打職人・石井良介プロが帯同。参加者一人一人のプレーを見ながら適正ボールの選択に力を貸してくれた。6人の候補に残ったボールはプロV1、プロV1x、AVXの3モデル。それらを使ってラウンドした参加者たちの感想を聞いた。さらにアマチュアのラウンドに同行した石井プロにもボール選びに関するアドバイスをもらった。
Chapter3 Real experience[実打]
コースで体感して深く納得! 参加者の感想からは最適なボールを選ぶことの大事さが伝わってくる!
プロV1xでドライバーショットのキャリーが伸びました/内山諒さん

「プロV1とプロV1xが最終候補でしたがプロV1xに傾きつつあります。理由は、まずアイアンショットの打感です。自分としては軟らかいのが好きだと思っていたのですが、プロV1xを打った時にコアを感じるような手応えがあって、それがすごくいいんです。 表面から2層目くらいまでは軟らかく、その奥は硬いと聞きましたが 、それをすごく感じるんですよね。グリーン周りのイメージもすごくいいです。出球の高さやキャリーとランの割合、止まり方がイメージに通りなので距離感がすごく合います。ドライバーショットでは高さが出ない方でしたが、プロV1xだとちょっと上がってキャリーが伸びてくれます。ボールのよさを実感できたので、“ドライバーを替えたほうがいいかも”というご指摘についても真剣に考えようと思います」
データではプロV1xでしたが使ってみたらプロV1がよかった/冨田修一さん

「プロV1xの感じもよかったですがフィーリングが合うのはプロV1でした。元来ソフトな打感が好きなのですが、ドライバーからパターまで一貫してソフト感がありますし、ミートできたときの打感も格別です。プロV1xはミートした時の弾き感が自分のイメージより速くて、ボールが行っちゃう感じがしました。フィッティングのデータだけ見るとプロV1xの方がいいのですが使ってみるとプロV1がいい。これはラウンドしてみないとわからないので、いい機会をいただきました。ドライバーの飛距離も1~2ヤードしか変わらなかったので、それなら自分のフィーリングに合った方がプロV1がいいかなと。これまで使ってきたボールも軟らかい打感で、同じようなイメージで使えますからね。あと私は金属フェースのパターを使っているので、その点でもプロV1の軟らかい打感が好きですね」
ピン不足の自分に足りない部分を補ってくれたプロV1x/中澤洋さん

「本命はプロV1x、対抗にはプロV1を推薦していただきました。フィッティングではプロV1xの方がスピン量が多かったですが、ラウンドでそれを実感しました。同じ距離から同じように2つを打った時に、フォローもあってグリーンには止まらなかったのですが、プロV1xの方が着弾後の転がりが緩やかでプロV1の1mくらい手前に止まりました。逆にドライバーは2300回転くらいのスピン量で少なめ。アイアンも適正値に近く、向井さんのお話の通りでした。打感もプロV1xの“コツッ”という感じが好きで、その意味でも僕はプロV1xがいいですね。プロV1xを打つ前は、同じスピン系のボールでもロングゲーム向きとショートゲーム向きがあるみたいに思っていましたが、すべてにおいてプロV1xはスピン量が多く、スピン不足の僕に足りない部分を補ってくれるのがわかりました。数ホール回っただけでここまでわかったら大成功。やはりやってみないとわかりませんね」
同じところから2つのボールを打てて違いがよくわかった/森内進之介さん

「フィッティングで薦められたのはプロV1xでしたが、打感が気持ちいいのはプロV1だったので、どちらにしようか迷っています。もっとも私の場合は100を叩くレベル。毎回同じスイングができないので、そこが迷ってしまう一番の原因なんですけどね。ただ、座学でボールについて知らなかったことを教えていただき、フィッティングをしてラウンドに出てみると確かにモデルによって違うことがわかりました。3種類くらいのボールをラウンドごとに使い分けても何もわかりませんでしたが、今回のラウンドは同じところから2つのボールを打てるので違いがよくわかりました。今のところは自分の感覚を信じて、打感が好きなプロV1を使ってみたいです。そこが今回のフィッティングで確実にゲットできたことなので」
新しい選択肢に出会えました。AVXに替えます!/森虎琉さん

「僕はプロV1とAVX推しでしたが、もう99%AVXで決まりです。ぶっちゃけAVXの方が出球が高くて飛ぶんです。プロV1もいいですが僕は左が怖いタイプなので、つかまるところに若干の不安を感じました。AVXは右に抜ける感じがありますが、実際の打球は右に行かないので僕にはちょうどいい。強く振りにいってもつかまりすぎず、右に行った感じでも滑った球になりません。アプローチについても、打球の高さや着弾後の転がりがイメージに近くて特に違和感はありません。やはりフィッティングしてからラウンドすると全然違いますね。パープレーでも72回は絶対使うのがボール。これまでは昔から使っているボールを何となく使い続けていましたが、今回新しい選択肢に出会えました。AVXに替えます!」
ショットはプロV1、アプローチはプロV1x。迷っています/涌井恭子さん

「プロV1とプロV1xを使いましたが、ドライバーはプロV1の方が高い弾道の球になりました。プロV1xはあまり高さが出ず、左に巻くような感じのボールが多かったです。セカンドショット以降もプロV1がよかったですが、アプローチではプロV1xの方が高さが出るんですよね。そのぶんグリーンに止まりやすいので迷いどころ。途中でボールを替えられればちょうどいいんですが(笑)。でも自分のクラブやゴルフを考えると、やはりアプローチとパターが生命線。ドライバーで多少距離が出なくても、アプローチできちんと高さと距離感が合いやすいプロV1xなのかなと思います。この先1ヵ月交代くらいでプロV1XとプロV1を使ってみて、どちらが自分のゴルフにメリットがあるのか、トータルパフォーマンスが上がるのか見極めたいと思います」
コースでの体験を経て、6人中5人がプロV1かプロV1x、AVXが1人という結果になった。ちなみに参加者の何人かは、普段使っているボールも持ち込み、フィッティングで薦められたボールと打ち比べていたが、おしなべてプロV1もしくはプロV1xに好感触を得ていた。パワーも、スイングも、ゴルフスタイルも違う参加者たちの全てをカバーできる、ハイクオリティでトータルパフォーマンスの高いボールということか。
では最後に、今回特別に帯同してくれてた石井プロにタイトリストのボールとフィッティングについてのアドバイスをいただこう。
石井良介からボール選びのアドバイス

ボールが決まればクラブも選びやすい。一刻も早くエースボールを決めよう!
「タイトリストのボール、とりわけプロV1やプロV1xは、ゴルフボールにおける“基準”だと考えています。全てのボールの真ん中にいて、他のメーカーも常に意識している。それくらいしっかりとしたボールだと思います。マスターズに行ってわかりましたが、出場選手の半数以上がタイトリストのボールを使っています。おそらく子どもの頃からそのボールで育ってきたのでしょう。そんなプレーヤーが多い土壌ではメーカーが性能を変えようとしても大きく変えられないと思いますが、それでもちゃんと進化している。そんな仕事を続けているところもプロV1やプロV1xのすごいところ。ガラッと変えてしまうメーカーもありますが、それがない安心感は絶対的です。私も仕事上いろいろなボールを使いますが、自分の何かを判断する基準になっているのはプロV1やプロV1xです」

「アマチュアの方の場合、新発売のボールも含めて現時点、プロV1、プロV1x、プロV1レフトダッシュ、AVXの4モデルの中から選べば、まず間違いはないと思います。うまく選べればグリーン周りやパッティングも自信満々に打てるでしょう。ボールが決まればクラブも選びやすいですから、一刻も早くエースボールを決めることが大事です。私の場合その拠り所になるのはショートゲームです。例えば同じ20ヤードのアプローチでも、上げるか転がすかはゴルファーによって違いますが、ボールによって弾道が変わるとイメージ通りのアプローチができません。上げたいのにプロV1xを使うと低く出る、抑えたいのにプロV1だと高く出るといったことがあるのです。また、“カチッ”という音でイメージが出る人もいれば、飛びすぎる感じをもつ人もいます。そういった部分のすり合わせはスコアに直結する部分なのでプライオリティが高いのです」

「ドライバーも大事ですが、今のツアー系ボールで飛ばないボールはほぼありません。ただ、弾道の違いはあって、それが自分にマッチするか。弾道が低いからプロV1xがいい、球が高めだからプロV1がいい、という感じですよね。いずれにせよ、自分のせいではなくボールによって変わることがあるのを知っておくべきです。フィッティングで得たデータ数値と自分のフィールがリンクしない時もありますが、そんな時はフィールを優先します。どっちの方が自信をもってプレーできるかで決めればいいと思います。それでも悩んだら1リーブずつ買って、それぞれで何ホールかラウンドしてみる。ボールは情報オンリーで選びがちですが、そうではなくコースで打ち比べてみること。決まったら、なるべく替えずに使い続けてください」
なお、タイトリストには「Green-to-Tee」アプローチと呼ばれる独自のボールフィッティングプログラムがある。スコアアップのためにボールができることは何かを重点に置き、正しいゴルフボール選びの手助けをしてくれるというもので、すべてのレベルのゴルファーにフィットするボールをセレクトできる。

タイトリスト ゴルフボールフィッティング

























