見た目からして“新カテゴリー”感のあるデザイン

今回僕が試打したのはフジクラコンポジットの新製品「SPEEDER BOOST(スピーダーブースト)」です。このシャフトは大きくしなって、鋭く戻るダブルキックシャフトということです。

まず見た目からして、新しいシャフトという感じをめちゃ感じます。今までのフジクラのシャフトにはなかったようなデザイン。白のベースに手元側には青、先端側にはオレンジでロゴがプリントされたポップな感じのデザインとなっています。今回のシャフトのイメージをデザインしたものだと思いますが、いい意味でフジクラらしくなくていいんじゃないかと思います。新しいカテゴリー感も出ています。

「VTC×ダブルキック」で実現する“二段階加速”

このシャフトの核心は、フジクラ独自の「VTC(バリアブル トルク コア)」と「ダブルキック設計」の組み合わせです。

VTCはシャフトの部位ごとにトルクをコントロールする技術で、手元と先端それぞれのしなりを独立して設計できるのが特徴。これにより一般的に軟らかいシャフトにありがちな「振り心地の頼りなさ」や「インパクト時の物足りなさ」を解消。シャフトの運動量を最大化することで、誰でも明確なしなりを実感でき、新次元の二段階加速によって飛距離をBOOSTするということです。

60Sでも“柔らかい”!?スペックから見えるしなり性能

「SPEEDER BOOST」には40g台の40Rから40S・50R・50S・60Sという5種類のスペックが用意されています。僕はいつも大体50g台のSあたりを中心にシャフトを選ぶのですが、今回はあえて少し重めの60Sをチョイス。柔らかめでしなりの大きいシャフトということを聞いていたので、少し重めでしなりすぎてしまうのを抑えようかという考えです。ちなみに「SPEEDER BOOST」60Sの振動数は232CPMなのですが、これは「SPEEDER NX GOLD」の40Rと同じなんですよね。いかにしなりの大きいシャフトかということが数値的にもわかります。

切り返しで“ためて”、インパクトで“走る”独特の挙動

で、自分のヘッドに「SPEEDER BOOST」60Sを挿してみましたが、ワッグルするだけでしなりをかなり感じます。全体的に柔らかさを感じますが、中間から先がさらにしなるような感覚。

実際に球を打ってみると、まずは切り返しで手元側のしなりを感じます。まったりとした感じのしなりかたで、とてもタイミングがとりやすい。中間部分もそれほど硬さを感じず、そのままハーフウェイダウンまで少したまりながら下りてきて、右足前くらいで中間から先がヒュッと走ってくれる感覚です。切り返しではまったりで、インパクトあたりではある程度のスピード感を感じました。かなりのしなり感は感じるものの、頼りなさというのは感じません。とにかく切り返しがしやすくて、フィニッシュまで気持ちよく振り切れる感じがありますね。重量的にもそこまで重さを感じなかったので、60Sにしたのは正解だったかもしれません。

弾道は中高弾道という感じ。結構上がりやすいシャフトだと思います。つかまりは自然な感じで、つかまり過ぎることはありませんでした。フェードヒッターの僕だとドローになることはなく、ほぼ真っすぐの弾道。かなり厚い当たりになりやすく、スピンも少なめだと思います。打感がいつもよりもマイルドになる感覚もありますね。

飛距離性能は高いが“合う人は選ぶ”シャフト

飛距離性能はやはり高いと感じました。先が走ってくれるので、ヘッドスピードも少し上がるような感じがあり、しっかり打てた時にはかなり飛距離が出ていましたね。また、左右のブレも少なく感じました。これだけしなるシャフトだと、ちょっとしたタイミングの違いで球が左右にブレるんじゃないかと思うのですが、ヘッドが捩れるような感じはほぼなく、しっかりとスクエアに戻ってくる感覚がありますね。このあたりが「VTC」の効果なのでしょうか。慣性モーメントの大きいヘッドでもしっかりとスクエアに当たってくれたので、最近のヘッドへのマッチングも良さそうですね。

しなりを使って飛ばしたい人にハマる1本

今回「SPEEDER BOOST」をコースで試打しましたが、とにかく気持ちよく切り返せて振りやすいシャフトというイメージ。そして先端側の走りも感じられるので、シャフトがしっかりと仕事をして、ボールをつかまえて飛ばしてくれる感じでした。ただ、しなり量が大きいので、合わない人というのもいるでしょう。なので、使う人を多少選ぶかもしれませんが、これが合えば飛距離をかなり伸ばしてくれる可能性もありそうです。フジクラさん、なかなか挑戦的なシャフトを作ったな〜という感じ。

シャフトのしなりをしっかりと使って飛距離を伸ばしたいと思っている人は一度試してみるといいんじゃないでしょうか。


ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。