ナイスショットした場合にはユーティリティの方が飛ぶ

90を切って常時80台、さらには85以下から70台を目指すには着手すべきことがいくつもありますが、中でも重要度が高いのは、打てない距離をなくすこと。それにはクラブを充実させ、番手間で飛距離が被らないようにセッティングしなければなりません。そこでポイントになるのが「どっちが飛ぶか?」問題。今回はユーティリティ(以下UT)とアイアンのどちらが飛ぶのかを検証します。

比べるのはロフトが同じ25度のUTとアイアン。UTはカーボンシャフトが標準なので、アイアンのシャフトがカーボンの場合とスチールの場合に、UTとアイアンのどちらが飛ぶのかを比べてみましょう。ロフト25度だとアイアンでは5番相当。ストロングロフトだと20度台前半になるので、ここでは標準的な5番アイアンと考えてください。

まずは、ともにカーボンシャフトが入ったUTとアイアンから。ともにロフトは25度&カーボンシャフトですが、どちらも同じ条件下でナイスショットしたらUTの方が5~10ヤード飛びます。

理由は2つあって1つはUTの方がシャフトが長いから。もう1つはヘッド形状の違いで、丸みのあるUTはヘッドスピードが上がります。ミスショット気味になるとそれがあからさまになってアイアンはさらに飛ばなくなります。重心がヘッドの深い位置にあるUTは、当たり負けした時にヘッドのブレが抑えられるからです。

5~10ヤードの飛距離差となると半番手から1番手の違いです。番手間の飛距離の差を詰めたい人なら2本ともバッグに入れてもいいですが、そこまでの必要がない人にはもったいないセッティングになると思います。当該番手の飛距離は180ヤード前後といったところで、5ヤード単位で打ち分ける必要のない距離だからです。最終的には好みの問題ですが、アイアンのロフトを26~27度にすれば番手間のギャップが大きくなって1番手ぶん程度の飛距離差になるでしょう。

同じロフトでもシャフト次第で飛距離差はさらに広がる

次に同じロフト25度でアイアンのシャフトをスチールにした場合。ともにナイスショットした時にはUTの方が10~15ヤード飛びます。理由はカーボンシャフトのケースと同じですが、アイアンがスチールになったぶん、シャフトのしなりが減少して飛ばなくなるため飛距離のギャップがより大きくなります。ですから同じロフト25度なら、カーボンシャフトのUTとスチールシャフトの5番アイアンを共存させるのはありです。

あくまで目安ですが参考までに記しておくと、カーボンシャフトのUTとスチールシャフトのアイアンでは、下に例示したようにアイアンのロフトがUTより3度減ると飛距離が大体同じになります。

「カーボンシャフトのUT」と「スチールシャフトのアイアン」飛距離の対応関係

ユーティリティ(UT) 対応アイアンロフト 番手目安
22度 19度 3~4番アイアン相当
25度 22度 4~5番アイアン相当
28度 25度 5~6番アイアン相当

また、ロフト25度のUTとアイアンの飛距離差を、アイアンのロフト別に表示すると以下のようになります。

「ロフト25度のUT」とアイアンの飛距離差

アイアンロフト UTとの差(飛距離)
25度 -10~15ヤード
24度 -10ヤード
23度 -5ヤード
22度 0ヤード

ということで、ストロングロフトではない標準的なロフトの5番アイアンと同ロフトのUTの飛距離を比べた場合、シャフトの材質に関わらずUTの方が飛びます。クラブセッティング的には、アイアンのシャフトがスチールで、その上にUTを入れるなら、アイアンもUTも同じロフトでOKということになります。

吉本巧(よしもと・たくみ)

ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。