自ら手に取り「これが私のラッキークラブ」と説明した「G430ハイブリッド」
スマイスは1打ビハインドで迎えた18番パー5でツーオンに成功させ、約8メートルのイーグルパットを決めるという劇的な逆転優勝をしました。
海外を主戦場とする選手のクラブ情報は限定的なので、キャディーバッグを見せてもらうのは楽しみでもあります。
ホールアウト後にモデル名などを確認していると、アテストを終えたスマイスがそこに歩み寄ってくると自ら「G430ハイブリッド」(3番=ロフト19度、ピン)を手に取って「これが私のラッキークラブ」と言ってきたのです。
ドライバーは「G440LST」。3番ウッドは「G440MAX」で4番はドライビングアイアンのiDi」と最新モデルが入る中で1本だけ古いモデルは「自宅のガレージが水浸しになってしまって…だから(フェースを指さし)この辺りが錆びてしまっているでしょう」とも説明してくれました。

ヒール寄りにある線が水没のあと。(撮影/森伊知郎)
JGTOとの共催大会で優勝直後、自宅のガレージが水浸しに…
スマイスは3月5~8日にニュージーランドで開催された日本とオーストラレイジアツアーの共催大会で6ホールに及んだプレーオフを制して優勝しました。
ところが直後にオーストラリアの自宅でガレージが水浸しになり、クルマに積んであったゴルフクラブも“水没”。本人が説明したようにフェースに錆が浮くほどの状態になってしまったのです。
「球を自在に操れるから、替えられない」
幸い、使える状態ではあったものの、錆が浮いたクラブの見た目はいいとはいえません。
それでも「曲がらないし、2番アイアンのように低い球も。3番、4番アイアンのように高い球も打てる。だから替えられない」と言います。
ロフト19度は3Wの15度と「iDi」4番の23度のちょうど真ん中ですが、距離だけでなく球筋を打ち分けるのに欠かせないクラブとなっています。

スマイスのクラブセッティング。ハイブリッドだけ、かなり使い込まれているのがわかる。(撮影/森伊知郎)
「G430ハイブリッド」と共に歩んだサクセスストーリー
とはいっても、ロフトだけならば最新の「G440」にすることもできるはず。
それでも替えられないのは、この1本と共に歩んだサクセスストーリーがあるからです。
「G430ハイブリッド」が発売開始となったのは2022年11月でした。
スマイスは「全英オープン」の予選を兼ねた翌年4月の香港でのアジアンツアーで3位になって、見事に出場資格を得ました。
この時の世界ランキングは313位。
その1年前は700位台だったので、「G430ハイブリッド」を使い始めた辺りから世界ランキングを一気に駆け上がって、メジャーにも出場。
今年はニュージーランドと日本で立て続けに勝つという結果を出しているのだから、手放せない気持ちも理解できます。
このクラブと共にLIVゴルフ復帰を果たせるか
スマイスは2022年に3試合だけ参戦したLIVゴルフへの復帰を目標に掲げています。
2026年は8試合の開催が発表されている「インターナショナルシリーズ」の総合ポイント2位内に入れば来年のLIVゴルフの出場資格を得られます。
その道を「G430ハイブリッド」と共に歩み、ゴールすることを目指します。
(取材・文/森伊知郎)











