バックスピンでカップイン!! 劇的なイーグルでプレーオフに持ち込む

正規のラウンドの18番パー5で、高橋が残り90ヤードから54度のウェッジで打った3打目はワンピンほど奥に着弾すると綺麗にバックスピンがかかり、カップに吸い込まれました。

同じ18番パー5が舞台となったプレーオフでは、1ホール目の3打目を残り80ヤードから58度で2メートルに付けてバーディーを奪います。

ここでまず荒木が脱落すると、2ホール目の3打目も58度のウェッジで70ヤードを1メートルに乗せ、ここもバーディー。この日は3回プレーした18番でトータル4アンダーという圧巻のゴルフで仲村を振り切って、昨年の「宮里藍サントリーレディス」以来となる通算3勝目を挙げました。

オフに毎日4~5時間練習した「自信のある番手で打てた」

18番ホールの3打目は3回のプレー全てで「自信のある番手で打てました」と高橋は言います。

その自信の源は、シーズンオフにタイで敢行した約3週間の猛練習にあります。

「サントリー」で3年ぶりの勝利を挙げ、ポイントランキング(賞金ランキング)は自己最高の5位で昨シーズンを終えると、2026年の目標を「年間3勝」に定めました。

「複数勝てて一流だと思っていますし、自分がそうなりたい。去年以上の成績を残すためには去年以上の練習をしないといけない」の決意で乗り込んだタイで休んだのは1日だけ。

練習のテーマは「ウェッジの“絶対距離感”を作ること」。

フルショットからグリーン周りを想定したキャリー5ヤードほどのアプローチショットまで、毎日4~5時間打ち続けたといいます。

タイは冬でも気温が30度ぐらいまで上がります。

その中での猛練習は、周囲がストップをかけるほどでした。

周囲がストップをかけたほどの猛練習の理由は、昨シーズンのスタッツから読み取れる

髙橋自身が「今までで一番連取した」と言ったハードワークの理由は、昨シーズンのスタッツから読み取ることができます。

パーオン率(75.3030%)、パーセーブ率(90.2525%)とパーオンできなかったホールをパー以下のスコアで上がるリカバリー率(70.7566%)は堂々の1位でした。

一方でパー5の平均スコアは4.7818で16位。

ドライビングディスタンスが41位(239.68ヤード)の高橋はツーオン狙いよりもウェッジでの“3打目勝負”となることが多くなります。

「ヤマハ」最終日にプレーオフを合わせて6ホールプレーしたパー5での1イーグルと4バーディーは残り70~100ヤードの3打目を全てウェッジで打ってのものでした。

ここを徹底的に伸ばせば勝てる、という自身のストロングポイントを正確に把握した上でのオフの強化策が見事に結果に繋がりました。

自信が生んだ心の余裕が劇的イーグルに繋がった!?

ウェッジに自信が持てるようになったことで、心に余裕も生まれるようになりました。

18番でのショットインイーグルとなる3打目を打つ前には「手前からでも転がるし(ピン奥の)傾斜に当てても戻るので、キャリー90ヤードぐらいを打てばどちらにしても寄る感覚でした」と言います。

この場面、手前から転がすか奥から戻すかの「どちらかしかない」と思って打つのと、「どちらにしても寄る」という気持で打つのではプレッシャーの度合いが全く違ってきます。

ミスの元となる過度の緊張とは無縁でパー5の3打目を打ってくる高橋は、今後他の選手にとって怖い存在となりそうです。

(文/森伊知郎)