この日唯一のバーディーはグリーン外からパターで
前半にボギーが2つ。70位台の順位で迎えた16番パー3で渋野のティショットはグリーン右に外れます。
6メートルほどの距離の2打目で「下(の芝)が薄かったので、ちゃっくりしたくないし、一番寄せやすそうだったので」との理由で手に持ったのはパター。やや強めにも見えたバーディートライはボールがピンにど真ん中で当たってカップイン。「入って良かった、という感じ」でこの日唯一のバーディーを奪います。
16番パー3はこの日の難易度が優しい方から4番目(平均スコア2.9352)ながらパーオン率は最も低い(43.5185%)というちょっと変わったスタッツになりましたが、その通りの内容で見せ場を作るのはさすがです。
フェアウェイキープ率57% パーオン率56%…
「前半はなかなか乗らず(パーオンできず)、後半はちょっとマシになったけどパットが入らないみたいな、本当に難しいラウンドでした」と振り返った初日の渋野個人のスタッツを見ると、フェアウェイキープは14ホール中8ホール。パーオンは18ホールで10回にとどまりました。
それでも前半の9ホールを終えた後40分ほどあったインターバルには「うまく体が動いていないというか、上半身が強いなという感じだったので(後半は)下半身をしっかり使ってというのを素振りから気をつけた」ことで後半は修正することができて1バーディー、ノーボギーに。
今シーズンのLPGAツアーでは3試合で予選通過が一度。ポイントランキングは127位となっています。来週はカリフォルニアでの「JM・イーグル・LA選手権」に出場することもあり、ホールアウト後はさらに状態をアップグレードするべく、ドライビングレンジで1時間超にわたって打ち込む姿がありました。
人影も少なくなったレンジで意識していたことは
他の選手が続々と引き上げていく中で意識していたのは下半身、とりわけ右足の使い方でした。ダウンスイングからインパクトにかけて、右足で地面を「蹴る」というよりも足首を内側に「倒す」ような動きをイメージすることの繰り返し。
すると練習終盤にはドライバーやフェアウェイウッド、ミドルアイアンなど長い距離を打つショットの“つかまり方”が見てわかるほど良くなっていました。満足げな表情になってドライバーをキャディーバッグにしまい、ウェッジのショットに切り替えると、なんとも可愛いギャラリー?が姿を見せます。
可愛いギャラリーの予期せぬ出没に、いち早く気づいて手を振る
ドライビングレンジの奥の方に現れたのは映画「バンビ」のような可愛らしい小鹿でした。コース周辺には野生の鹿が生息しているとはいえ、ゴルファーがプレーしている日中に姿を見せることはほとんどないそうです。

この日は2781人のギャラリーが集まったため、通常営業時の数十倍にはなる数の人がいた状況。さらに練習に支障をきたさないようにと配慮したかのように、ドライバーを打ち終わり、ウェッジの練習を始めたタイミングで現れ、まるで見学しているかのようでした。
5人ほど残っていた選手の中でその姿にいち早く気づいた渋野は笑顔で手を振ります。予期せぬ珍客に気づく視野の広さと笑顔で手を振る心の余裕は、2日目以降への手応えを得ていたたからでしょうか。レアな遭遇は、その吉兆となってほしいものです。
(取材・文/森伊知郎)













