スコア悪化→自信低下→消極的判断の悪循環

サプリ 年明けから調子が悪くて、ラウンドを重ねるごとにスコアがどんどん悪くなっているんです。それが実力なんだと受け入れてはいるものの、何か原因があるのはないかとも思うんです。それで、最近ではラウンド前から不安があり、打つ前に「またミスするかもしれない」と考えてしまうようになりました。振り切れなくなって、中途半端なスイングばかり。結果としてミスが出て、さらに自信を失うという流れに入ってしまっているようです。

今野 これは典型的な悪循環ですね。スコアが悪くなると自信がなくなる。自信がなくなると消極的になる。消極的になるとスイングが中途半端になる。その結果ミスが出る。このループに入ると、どんどん抜け出しにくくなります。

サプリ たしかに、ミスを避けようとして安全策を選んでいるつもりでも、判断が中途半端になっているのでしょうね。振り返ってみると、飛距離が安定しない、弾道がバラつく、番手選びに迷うといった状態になり、プレー全体が不安定になっています。

今野 不調の時ほど「ミスしないように」という意識が強くなります。でもそれが一番危ない。悪循環に陥っているのは確かですね。でも、他にも原因があるかもしれません。

不調が続くのは季節や条件の影響もある

今野 スコアが悪い時期は、スイングだけが原因ではない場合もあります。春先は芝の状態が安定せず、ライが毎回変わります。ボールが浮く場所もあれば沈む場所もあり、距離感も合いにくくなります。同じ打ち方でも結果が変わるので、イメージとのズレが出やすい時期なんです。

サプリ 同じように見えて、ゴルフ場によって芝の状態は違うということですね。

今野 そうですね。それから、うまく打てた時のイメージにこだわるほど、そのズレが大きくなります。結果として「スイングがおかしいのではないか」と考え、さらに迷いが増えていきます。本来はライや条件によって打ち方やイメージを変える必要があります。

サプリ ゴルフは一期一会のスポーツですものね。一打一打、番手も違えばライも状況も違います。

今野 でも調子が悪い時はそれができなくなります。一つの打ち方に固執してしまうんです。それがスランプを長引かせます。

サプリ どうすればいいかわからなくなって、最近ではスイングを修正しようしたり、番手選びを変えたり、ハーフショットを取り入れたりと、解決策を探そうとしていたのですが、これも悪循環に入った原因ですか?

今野 そうですね。逆効果になることも多いです。調子が悪い時に新しいことをしようとすると、考えることが増えてしまいます。ラウンド中に迷いが生まれることにつながります。一時的に結果が出ても、条件が変わるとまた合わなくなります。そのたびに別の方法を試すことになり、さらに混乱します。

サプリ そう言われると、毎ショット、いつもと違ったことをしなきゃと考えてしまっていました。

今野 悪い時は悪い時期だと割り切ることも大事です。無理に直そうとすると長引きます。自然に戻ることも多いですから、まずは慌てないことです。

スランプ時は“観察するラウンド”に変える

今野 不調の時期は、結果を求めるのではなく観察を重視します。例えば「ショートしそう」「右に出そう」と感じた予測と、実際の結果を確認する。イメージと結果のズレを確認することが大事です。ナイスショットかどうかではなく、ボールを打った結果が予想通りだったかどうかを見る。これを繰り返すと精度が上がります。ミスショットでも予測通りなら意味があります。逆にナイスショットでも想定外なら次につながりません。

サプリ 自分のゴルフを俯瞰しながらプレーするような感じですか?

今野 そうですね。調子が悪いから、ミスがこわいからこうしよう、といったことをせずに普通にプレーするんです。その上で、自分のショットを分析しながらプレーしていく。

サプリ なんとなく冷静にプレーできそうな気がしますね。

今野 調子が悪い時は、ミスショットが続いても慌てず騒がずプレーするのが大事です。ゴルフは狙ったところにボールを運ぶスポーツです。ゴミ箱にティッシュを投げて入れるのと同じだと思ってください。強めに握って固めたティッシュを強く投げてゴミ箱に入れたり、ゆるく握ったティッシュをふわっと投げ入れるのか。毎回距離やティッシュの形が違う中で、結果を見ながら調整していく。その積み重ねがゴルフです。自信はナイスショットではなく、イメージと結果の一致から生まれます。「こうなると思ったらこうなった」という経験を増やすことで安心感が生まれます。

サプリ それで結果が伴わなくても、一喜一憂してはいけない?

今野 すぐに調子が良くなることはありませんからね。まずは分析しながらプレーする。そうして冷静になれれば、その日のラウンドで同じミスを繰り返しにくくなります。

サプリ 次のラウンドは少し冷静にプレーできそうです。

今野 打つ前に嫌な予感がする時はありませんか?

サプリ 最近は毎回、嫌な予感がします。

今野 それも大事だったりするんですよ。「トップしそう」「右に出そう」と感じたら、その予感を前提に狙いを判断してください。予測できるようになれば大きなミスも減ります。

サプリ そうしているつもりでしたが、もっとミスの可能性の幅を広げて狙いを定めてみます。

今野 スランプは誰にでもありますが、観察を重ねることで抜け出すことができます。結果に一喜一憂せず、内容を見ることです。予測と結果の一致を増やすことで、自信は自然と戻ってきます。不調の時期は、自分の精度を高めるチャンスでもあります。