ラフはアイアンだけじゃない? 今どきクラブ事情
T島 GWも終わりましたね。さて、この時期からゴルフ場の芝が緑になり、ラフの芝が伸びてきます。うちのホームコースはフェアウェイもラフも洋芝なんで特に困ります。
野倉 そうですね。意外と厄介ですよね。
T島 フィッター野倉は、まだ30代と若いので知らないと思いますが、「ラフと◯には金を使え!」というゴルフのオヤジギャグがあるんですよ。
野倉 知らないです……っていうかコンプライアンス的にこの発言、NGですよね?
T島 ◯だから大丈夫でしょう。 要は、ラフに入ったら“木”じゃなくて“金”を使えってことなんです。

野倉 木? 金?? あ! ウッドじゃなくて、ラフはアイアンを使えってことですか!
T島 正解。昔はそう言われていました。今でも守っている人は多いですね。
野倉 そうですね。フェース幅が一番短いし、一番抵抗が少ないからでしょうかね?
T島 確かに抵抗は少ないでしょう。丸山茂樹プロは米ツアーに行った時に、「アイアンなんかボールが当たるところだけあればいい!」という発言をしていた記憶があります。ラフでの芝の抵抗を考えてのことのようです。
野倉 やっぱりパワーの差を感じていたのでしょうか? ヘッドも小ぶりなほうが扱いやすいだろうし、技術もあるし。
T島 とは言え、米ツアーほど我々がプレーするコースはラフが深くありません。国内女子ツアーを観ていると、フェアウェイウッドやユーティリティでバンバン打っていますものね。
野倉 T島さんは、ラフから打つのにショートウッドやロフトが多いユーティリティなどをオススメしていますよね?
T島 昔のオヤジギャグ時代っていうのは、ショートウッドもユーティリティも無い頃の話なんで、そんな真に受けなくて良いと思うんです。ソール幅があるとズズーンと芝を滑ってくれるので、意外と扱いやすいし、やっぱりキャリーが出るのがありがたいです。
野倉 洋芝のラフで苦労した結論ですか?
T島 そうなんです。とは言え、3Wとかロフトが立っているフェアウェイウッドやユーティリティは無理ですよ。アイアンは確実に距離が稼げる。でも、もう少し飛ばしたいと思うじゃないですか?
野倉 グリーンに届かなくてもいいけど、アプローチしやすいポジションまでボールを運びたいということですよね?
T島 そのために便利なのは、7W、9Wや26度以上のUTでしょう。アイアンよりも楽に使えると思います。ボールがすっぽり隠れるぐらいのラフだったらウェッジを使って下さい。流石に難しいと思います。
野倉 そうですね。特にヘッドスピードが1Wで40m/s以下の人は、積極的に使いたいですよね。
T島 そうなんです。5番、6番アイアンでラフから打つよりも距離を稼げると思います。
野倉 アイアンがやさしくなったとは言え、ボールが飛ばせるエリアはウッドやUTのほうが広いですから。ラフで打点をしっかりコントロールするのは難しいです。

高ロフトUTは“増殖”する!? フィッターが語る選び方
T島 最近、ショートウッドやロフトが多いUTとか啓蒙活動しているので、実際市場でも売れてきているようです。
野倉 メーカーさんも積極的にロフトバリエーションを増やしてきたという背景もありますね。
T島 昔は特定のメーカーしか無かったんですよ。ピンとかPXGとかね。でも“売れるぞ”ってのがバレちゃったから、各社積極的に……。まだ大手だと日本メーカーはそこまで幅広く販売していないけど、海外メーカーだと標準化されました。
野倉 そうですね。キャロウェイやPXGなど、9Wで止まらず11番ウッド(28度前後)やユーティリティも34度まで来ました。
T島 あっ、失礼しました。キャスコは15度から46度までのUTがありますね。「UFO AIR UT by POWER TORNADO」! キャスコ、すごいなぁ。
野倉 大蔵ゴルフスタジオでも取り扱っておりますので、是非。
T島 あと、フェアウェイバンカーなどからも使い勝手が良いです。打ち出し角が高いので脱出しやすいし、距離が稼げます。
野倉 ショートウッドはフェアウェイウッド苦手という方が多くて、なかなか挑戦していただけませんが、女性の方はフェアウェイウッド得意な方が多いので、定番になりつつありますよ。
T島 男性の方はユーティリティへ流れると思います。でもショートウッドは楽ですよ。笑えるぐらいキャリーが出ます。
野倉 最近アイアンのロフトが立ってきていることもあり、6番までのアイアンセットが増えてきました。その影響でロフトが多いUTをお求めになる方は増加しています。特徴は、1本入れちゃうと、前後に増殖していくということです。例えば26度を購入していただいたら、22度とか30度とか欲しくなってしまう現象です。
T島 “あるある!”ですなぁ。では、フィッター野倉から、購入の際の注意点をお願いします。
野倉 まず、構えた時の印象を揃えたいので、同じモデルで増やしたいです。形状やフェースプログレッション(FP)というシャフト軸からフェースまでの距離ですよね。
T島 統一感が無いと、「あれ? 構えにくいなぁ……」ってことになりやすいってことね。

野倉 そして、耳にタコができたかと思いますが、シャフトは統一してください。場合によっては、同じシャフトで短くする分、重さを増やす場合もあります。
T島 モデルとシャフトを統一すると、構えた時のモジモジが減り、タイミングの違和感もないので、どの番手も違和感なく打ちやすいです。
野倉 これはショートウッドも同じですね。
T島 1本作って、買い足していく場合も、意外と揃えるのが難しいのですが、フィッティングスタジオなら、考慮して作りますから安心です。
野倉 そうですね。過去のカルテがありますから、T島さんみたいに中古で買い足して、「シャフトの先端カットが実は違います」みたいな悲劇も生まれません。
T島 はい。最初からフェアウェイウッドもユーティリティも揃えて作るのがベストなんですが、まずは1本試してみる! というのは賢い選び方だと思います。

T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。
ああああああ
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