モーダス105は“軽硬”系スチールの代表格
「N.S.PRO MODUS3 TOUR105」(以下105)のRとSを比較する前に、このシャフトについて紹介しておきましょう。発売は2015年8月で間もなく11年になろうとしていますが、アマチュアゴルファーに人気が高く、アイアンセットに純正として刺さっていることも多いモデルです。
特徴は軽めで硬いこと。いわゆる“カルカタ”のスチール版として人気になりましたが、実際にはRで103グラム、Sで106.5グラムと、ともに重量が100グラム以上あるのでちょっと軽めの中量級といった感じです。「使っているスチールをちょっと軽くしたい」という中〜上級者の受け皿になった一面も人気を後押ししたと思います。
シャフトが軽くなると振り回しがちですが、105はこれまでのこの重量帯のモデルより2分の1〜1フレックス程度硬いのでヘッドが暴れないため、操作性があって打球をコントロールしやすいバランスのとれたシャフトと言えます。硬い=しなりを感じづらいということになりますが、これはシャフトの中心部が硬いため。真ん中が硬いと全体が硬い体感で動きすぎないフィーリングになります。アイアンはしならせて飛ばすクラブではないので、その部分でも支持を集めたのでしょう。
さて、RとSではどちらがしなるか? ということですが、別のスチールからの乗り換えを考えている読者の方が多いと思うので、ここでは他のメーカーも含めたモデルと比較しながら考えていきましょう。ここでは105を含め、以下に代表的なスチールシャフト8機種を列挙しました。
| モデル名 | 硬さ | 重量 | 調子 |
|---|---|---|---|
| N.S.PRO 950GH | R | 94.5g | 先 |
| N.S.PRO 950GH neo | R | 94.5g | 中 |
| モーダス105 | R | 103g | 元 |
| モーダス120 | R | 114g | 中元 |
| ダイナミックゴールド | S200 | 103g | 元 |
| N.S.PRO 950GH neo | SR | 97g | 中 |
| N.S.PRO 950GH | S | 98g | 先 |
| モーダス105 | S | 106.5g | 元 |
硬さで見た場合、上から軟らかい順になっています。見ていただくとわかる通り、105のRは8機種の中で3番目に硬く、105のSはもっとも硬くなります。
Rは“しなり感を抑えた中量級”、Sは想像以上にハード
まず105のRですが、同じ“カルカタ”の「N.S.PRO 950GH neo」(以下ネオ)のRと振動数がほぼ同じです。重量と調子が違いますが、105はやや重くて元調子、ネオは軽めで中調子ということで、この違いが相殺されて同じような性格のシャフトになっていると思われます。すでに述べたように105は元調子ながらも全体がしなる感じなのでメリハリがありません。その軽量版がネオという感じになるでしょう。もう少し重さが欲しいと考えているネオユーザーには105のRがハマる可能性が高いと思います。
105のSは“軽量DG”的なハードスペック
一方、105のSはこの中ではもっとも硬いモデルになります。表で示した中でも、RとSの間には4モデルのシャフトが入ってくるようにだいぶ硬くなります。ちなみにこの中では、モーダス120(以下120)と「ダイナミックゴールド」のS200(以下DG)、およびネオのSRと950GHのSはともに近しい関係にありますが、120とDGはしなり方が変わり、前者は全体的に軟らかく、後者は元がしなって先が硬い、いわゆる粘り系タイプになります。
また、ネオのSRと950GHのSはともに軽量スチールですが、こちらはしなり方が全く変わります。前者は先がよく動き、ネオは全体が硬くてしなりにくいハードタイプ。同じモデル名に「ネオ」とついていると進化バージョンと考えがちですが、ネオは950GHの延長上にはないので要注意。今は純正シャフトに採用されていることも多いので必ず打ってから決めましょう。
こういったキャラクターよりもさらに硬いのが105のSで、通常の硬さより2分の1〜1フレックス硬いと考えた方がいいでしょう。ネオのSRと950GHのSとで比較するなら前者に近いですが、重量の違いでネオは軽く、105にはどっしり感があります。表には挙げていませんが、硬さはモーダス125のRとほぼ同じです。トルクも1.7(Rは1.9)ということでねじれも少なく、どちらかといえばハードなスペック。ドライバーのヘッドスピードで言えば43〜48m/sくらいは必要でしょう。105のRでは38〜43m/sが目安になります。ということで、基本モーダス105はRもSも体感的にはあまりしならないタイプのシャフト。ヘッドスピードなりにスピーディーに振っても先側が暴れないシャフトを求める人にハマります。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。










