2019日本女子オープン優勝 畑岡奈紗|圧勝の裏に二度のピンチと世界の小技(1/2)
6番で寄せきれない渋野、9番の大ピンチから寄せワンバーディの畑岡。
最後は2位に4打差をつけて、畑岡奈紗の圧勝に終わった「日本女子オープン」。9月の「日本女子プロ選手権」からの国内メジャー2連勝は、孤高の強さを見せつけたようにも思えるが、最終日には逆転される予感がしたピンチもあった。
今年の女子ゴルフ界をリードしてきた黄金世代だが、「日本女子オープン」でも主役となったのは98年生まれの黄金世代だった。最終日をトップタイで迎えた畑岡奈紗と大里桃子、6位には渋野日向子、さらに9位タイには松田鈴英と高橋彩華、そして15位タイにも勝みなみ、田中瑞希がいて上位選手のスコアが出るリーダーズボードの約半数は黄金世代の20歳の選手だ。
その中でも圧倒的なギャラリーを集めてスタートした渋野。9月には8打差を逆転して優勝したこともあり、最終日にも6打差からの逆転を期待するファンの大声援を受けていたがスタートから5ホール連続でパーが続いた。その組に同行していた青木翔コーチに6番ホールで話を聞くと、「この6番が波に乗れるかどうかの分岐点だと思います。パー5なのでバーディが欲しいですが、意外と難しいレイアウトでツーオンを狙うラインが狭い。シブコも初日はここでダボを打ちましたからね。でも、逆転優勝を狙うならここは攻めないと厳しいでしょうね」
その言葉通り、渋野は明らかにバーディを狙っていた。1打目のティショットはフェアウェイを外してバンカーぎりぎりのラフだったが、2打目で5番ウッドをフルショットして花道まで持ってきた。しかし、3打目のアプローチで3段グリーンの最上段まで届かず、パーに終わった。青木コーチは、
「かなり上りのグリーンだったので、あそこは52度で低いアプローチを打ちたかったところですね。ここでパーだとちょっと波に乗るのは難しいですね。最終日のピン位置だと上位陣もスコアが伸びなさそうな感じなんですけどね」
渋野はその後もなかなかバーディが奪えず、13ホール連続パーとなって優勝が遠のいた。そして青木コーチの予想通り、トップタイでスタートした畑岡と大里も前半は苦しんで、渋野が6番を迎えた時点で、畑岡は3番、4番で連続ボギー。大里も3番でボギーを打ち、最終組は2人とも我慢のプレーが続いていた。そして9番では畑岡にトラブルがあった。