現役ツアープロも学べる優勝争いの深層《ZOZOチャンピオンシップ》タイガーと松山の日本ゴルフ史に残る名勝負

プロが分析するプロの心技体

2020/01/18 ゴルフサプリ編集部



1週間前の月曜には、タイガー・ウッズが日本で通算82勝目を飾るとは思えなかった。日本初開催のPGAツアー『ZOZOチャンピオンシップ』。大会前の月曜日にはタイガーがスキンズマッチに参加していたが、そのときのタイガーは明らかに本調子ではなかった。

日本中のゴルフファンが見たかったタイガー・ウッズと松山英樹の優勝争い。そして歴史に残るPGAツアー最多タイとなる82勝目を飾ったタイガーだったが、その優勝もやはり逃げ切りだった。

タイガーが最終日を首位タイでスタートした試合は過去に45試合あったが、そのうち43試合で優勝。約25年のキャリアの中で逆転されたのは2試合しかない。そのデータについて、2000年代に丸山茂樹のコーチとしてPGAツアーにも帯同していた内藤雄士は、「タイガーは54ホールを終えてトップに立ったら、基本的にはスライスで攻めます。それはコントロールを重視するからです。もちろん、元々フェードヒッターなので持ち球ということでもありますが、ツアープロにとっては、ボールを逃すスライスの方が打球方向が安定します。逆にドローは叩きに行くので、ミスショットした場合の計算が立ちにくいのです」