賞金女王争いの最後にチャンスホールの罠|渋野日向子×鈴木愛
プロが分析するプロの心技体
大いに盛り上がった2019年、女子ツアー。その最終戦を振り返ってみよう。
3人に賞女王の可能性がある中で迎えた最終戦は、最終日になってもまだ鈴木愛、渋野日向子、申ジエの誰が賞金女王になるかわからない状況だった。最終日をトップと2打差の3位で迎えた渋野日向子は前週の優勝で勢いに乗り、逆転での賞金女王への期待感も高かったが──。
最終日を12位タイで迎えた鈴木愛に対して、渋野は3位。もし、鈴木愛が2位タイ以下で渋野が優勝すれば逆転での賞金女王になれる状況であり、渋野の組には多くのギャラリーが応援にかけつけていた。そのギャラリーに混じって渋野のプレーを見ていた青木コーチに前半ホールの途中で話を聞くと、
「同じ組の古江さんの調子がスタートからすごく良かったので、古江さんに勝ったら優勝するかもしれませんね」
と語っていた。最終日を4位で迎えた同組の古江彩佳は1番、2番と連続バーディ、さらに4番でもバーディを奪い、いきなりスコアを3つ伸ばして、その時点でトップに立っていた。