ゴルフ新ルール|え? アイアンとパターには例外条件があったの!?

ここがわからない!新ルールの後始末 第9回

2020/09/30 ゴルフトゥデイ 編集部



R&A(全英ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)によって、2019年1月1日から大幅に変更されたゴルフの規則。新旧ルールの違い、知っておくべき改正点をわかりやすく解説します。

GOLF TODAY本誌 No.580/125ページより

最新の「用具規則」では、旧規則では不明瞭だった内容が明示された点もある。

2020年版はJGA(日本ゴルフ協会)のホームページで確認できるが、図版が増えてわかりやすくなった。

たとえば「パート2‐クラブの適合性 セクション4クラブヘッド a単純な形状 (ⅰ)すべてのクラブ」では、フェースを貫通する穴とともに、ヘッドを貫通する穴も認められないとしているが、アイアンとパターには例外が認められることを図入りで明示している。

旧規則では「パターとキャビティバックアイアンについては若干の例外が認められる」としか表記がなく、具体的な判断基準は示されていなかった。

新規則によると「アイアンヘッドの背面のキャビティバック内に穴を形成する機構(例:サポートバー)は、その機構がヘッド本体の輪郭に収まっており、その穴が上から見えないことを条件に認められることがあります」となっている。

「認められることがあります」ということは「認められない」ケースもあるわけだが、掲載されたイラストを見ると、昔のナイキのアイアンのようにバーが背面を横断しているデザインを、ルールに「適合」として紹介している。

最近のものならテーラーメイドの、ポケットキャビティの背面からトップラインにバーが伸びて接合しているモデルが「適合」ということだろう。厳密に見れば、中空構造アイアンの背面に、ヒール側からトウ側に穴を開けているようなものなのだが。

「キャビティバック内で、ヘッド本体の輪郭に収まる」という範囲には、ソールは含まれていない。別のイラストで、サンドウェッジのソールに穴が貫通しているものは「不適合」となっている。

実は、今から30年以上前に、ウイルソンがソールにスリット状の穴を貫通させたモデルを発表し、ルール不適合となった経緯がある。このことを踏まえ、現在ではソールに「溝」はあっても貫通させないようになっている。これは、新規則でも変わっていないということだ。

だが、パターはまた少し違っている。新規則では「パターについてはとても寛大な解釈がされており、照準、アライメントを含むあらゆる目的のためのヘッド(フェースを除く)を貫通する穴が認められています」とあり、イラストでマレット型の背面に穴が開いているもの、T字型でトウからヒールに筒状の穴が開いているモデルを「適合」として紹介している。より設計自由度が高いのだ。