「○I=○Y」というスタンダードがなくなった
ゴルフ界では昔から「9Iの2倍がドライバーの飛距離」という言い方をよくされていました。たとえば、9Iで120Y飛ぶなら、ドライバーは240Y飛ばせるということ。結論から言えば、今は「○Iだから○Y」とか「○Iだからこのくらいのスピン量」という数字が当てはまりません。なので、そういうことは考えなくていいと思います。
今やアイアンのロフト設定がどんどん変わっているし、同じ番手でもロフトの幅が広すぎます。9Iのロフトで言うと、32度と立っているモデルもあれば43度と寝ているモデルもある。しかも、以前にこのコラムでお話ししたように、ヘッドの構造(ブレード、キャビティ、ポケットキャビティ、中空、……etc)によっても、弾道やスピン量は変わってきます。
あくまで昔の基準であり、目安として言われていただけ
ボールの進化とクラブの進化によって、昔に比べてアイアンもドライバーも飛距離が伸びているのは事実です。一方で、ゴルファーのタイプによって、アイアンやドライバーのスピン量が多い・少ないがあることで、初速が変化して飛距離が変わってくるもの。
実際のところ、ツアープロの飛距離を見ても「9I×2=ドライバー」という数式が当てはまらない選手も多くいるようです。あくまでも過去の参考例であり、目安として言われていただけの言葉なので、気にしなくていいでしょう。
「ヘッドスピード×6」がドライバーの新基準
だとしたら今、ドライバーの飛距離はなにを基準に考えればいいのか? どのくらい飛べばOKなのか? という疑問が浮かぶかもしれません。そういう人はこう考えましょう。「ヘッドスピードの6倍」が、ドライバーで出せる飛距離。ランまで入れたトータルで、ということです。
逆に、ドライバーでそこまで飛距離が出ていない人は、何かしらの“伸びシロ”がまだまだあるんだな、と思ってもらえればいいですね。その飛距離を出すには、どういうギアを使えばいいか、どんな練習をすればいいか、というふうに追求していけば、コースの景色が変わってくるかもしれません。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。




