練習場は「コースで使えるショット」に磨きをかける場所。

北野正之が指南する「練習効率アップ」の心得 VOL.3

2020/09/09 ゴルフサプリ編集部



うまくなりたい一心でマメに練習場に通い、一所懸命に球を打つのはとてもいいこと。ところがアマチュアレッスンに定評のある北野正之プロは、「コースプレーに直結した練習をちゃんとしている人はほとんどいません」という。練習をしている割にはなかなかうまくならないし、スコアもアップしない」と悩んでいる人は練習内容を見直そう。

練習場で球を打っている人たちを見ていて私がいつも思うことですが、多くの人は「球を打つこと=練習している」と信じ込んでいる節があるんですよね。私にいわせれば「球を打つこと=球を打っている」。それ以上でも、それ以下でもない。これ、笑い話ではありません。

どういうことかというと、球を打つことが練習になっていない方が大勢いらっしゃるのです。練習場をストレス発散の場と考えているのか、ほとんどの人がドライバーやアイアンを思い切り振り回して一所懸命に飛ばそうとしています。あなたもそうだとしたら、練習の成果がなかなか表われていないことに悩んでいませんか?

よく考えてみてください。コースに出たときに練習場のようにクラブを思い切り振れるショットって何回あるでしょうか?ティーイングエリアは基本的には平らですからフルスイングできるとしても、フェアウェイは平坦な場所ばかりとは限りません。大なり小なりの傾斜地から打つことが大半です。

ドライバーショットにしても練習場のように何のプレッシャーもないときは100パーセント近くのスイングができても、フェアウェイの右サイドにOBや池があったりしてプレッシャーを感じたときに練習場と同じフルスイングを実行できますか? 「OBに打ち込みたくない」とか「曲げたくない」といった心理が働いて、大抵は萎縮してボールに合わせにいくようなスイングとなり、結果的に球を大きく曲げてしまうケースがとても多いのです。

練習場はスイングの技術を磨く場ですが、同時にコースで使えるショットを増やしていく場です。要はコースで使えないショットの練習ばかりしても意味がないのです。フェアウェイが広くてドライバーを気持ちよく打てるホールであればフルスイングしても大いに結構ですが、フィニッシュでバランスを崩してしまうほど振り回すのは避けましょう。

左足だけでも立てるようなバランスのいいフィニッシュが作れるように力感を8割程度に抑えて打つ練習を多く積んでおくべきです。フェアウェイが狭いホールを想定した練習をするなら、クラブを通常よりも1インチほど短く持ち、スイングの力感を7割くらいまだ下げて打つ練習が効果的です。