熊の目撃情報で、コロナ禍以来の無観客開催

2021年11月の「伊藤園レディス」以来の無観客開催となった試合。歓声のない中で小祝は9番から3連続バーディ。
後半のインも11、14番で伸ばし、15番では今週唯一のボギーを叩きましたが、16番パー5でグリーン奥からチップインイーグルを奪い、勝利を決定づけました。

昨シーズンのポイントランキングは4位も、自身より上位の竹田麗央、山下美夢有、岩井明愛。さらに5位の岩井千怜もアメリカLPGAツアーに主戦場を移したことを考えると、今シーズン年間女王の大本命がようやくシーズン初勝利を挙げた格好でしょうか。

グリーンコンディションの変化に対応

小祝の勝因は、さすがの対応力、でしょう。
「明治安田」のグリーンスピード は、第1ラウンドと第2ラウンド が8 3/4フィートでした。
20日の最終ラウンドは9フィート出ていましたが、今シーズンのツアーで1桁のフィートは初めて。数字だけでいうと、一般ゴルファーがプレーする時並みです。

ちなみに先週の「ミネベアミツミレディス」でのグリーンスピードは初日から10 3/4→11→11 1/3→11 1/2(単位は全てフィート)と日に日に速くなり、表面の硬さを示すファームネスメーターは280→277→267→249(数字が少ないほど硬くなります)と連日硬くなっていました。

こちらも「明治安田」は初日285→284→290と柔らかめでした。

一般アマチュアでも硬く速いグリーンから遅く柔らかいグリーンに急に変わったら戸惑うことはイメージできるのではないでしょうか。

2週連続トップ10は、小祝と仲村果乃のふたりだけ

プロなのに?と思うかもしれませんが、「ミネベアミツミ」と「明治安田」の2週続けてトップ10入りしたのは小祝と仲村果乃の2人だけでした。

先週優勝した内田ことこ。同2位の泉田琴菜が予選落ちしているのが選手たちも対応に苦慮していた証しでしょう。

さらに今週は月火が梅雨最後の雨で、仙台では月曜日に8ミリの降水量を記録しました。
水曜日のプロアマは熊本が出て途中で打ち切りです。
今年から始まった大会のコースで予備知識のないところに、悪天候&熊という想定外の準備不足が重なっただけに、余計にコースへの対応力が問われました。

小祝もコースについて「グリーンが止まる時だったり、リリースしちゃう時だったりというのがあって、その辺がすごく難しかったです。ショットが落ちてからの距離が結構バラバラで、止まる時もあれば、転がる時もあって」と話していました。

それでも54ホールで46回のパーオンは、ウー・チャイェンと政田夢乃の47回に次ぐ3位タイ。「難しい」と言いながらも、きっちりと対応していたことが数字に表れています。

両手首を痛めていた…

優勝会見では、2週前にディボット跡から打った際に右手首を痛め、今週も初日のラウンド中に左手首を痛めたことを明かしました。

それでも結果は7位→7位→優勝ですから、恐れ入ります。

今シーズン初優勝でポイントランキングは2位に浮上。
年間女王争いの大本命が実力を発揮した感じです。

さらにセントアンドリュースでの2日目に78を叩いてカットラインに1打足りずに予選落ちの悔しさを味わった「全英女子オープン」(今年は7月31日~8月3日、ロイヤル・ポースコール)でも「しっかりリベンジしたいなと思います」と意気込みを語っており、国内外での今後の活躍が楽しみです。

(文/森伊知郎)