手首が自由を求める理由とは?
ゴルフリサーチャーTASK【世界のゴルフスイング事情】vol.12
国内外で収集したゴルフスイングに関する最先端情報を「Jacobs3D」アンバサダー、ゴルフリサーチャー「タスク」が独自の視点と考察を交えてお届けします!
GOLF TODAY本誌 No.585/112ページより
ゴルフスイングはほぼ1秒で終わってしまうアクションですが、その間にプレーヤーが無意識かもしれないが積極的に行っていることがあります。
それは重心の管理です。アマチュアプレーヤーが効率的なインパクトを迎えられないのは、テークバックの始まりから重心の管理が崩壊し、不必要な三次元ローテーションが偏重心であるゴルフクラブに“襲いかかる”からです。発生したローテーションは必ずその都度相殺するように重心管理し、デリバリーポジションから最高効率でヘッドをボールにアタックしていくのが理想です。ですが、デリバリーポジション以降にプレーヤーができることはほとんどありません。
多くの場合、アマチュアプレーヤーはいわゆる腕とゴルフクラブを一体化し、手首を固めてテークバックを始めます。このようにゴルフクラブを動かしてしまうと、スイングの当初からゴルフクラブの特性を生かすことはできなくなります。
これまで、ゴルフスイングは二重振り子運動であると主張してきましたが、その第一の振り子がグリップから先のゴルフクラブがつくり上げる振り子です。すなわち、そこには振り子の支点が存在しないといけません。
そこで重要となるのが手首です。手首は一方の凸状の骨に対して、凹状の骨が対になって楕円状に接続する顆状関節と言われます。この特徴により手首の関節は限定的に自由な円運動をすることが可能です。
よって、ゴルフクラブは“そもそも手首が自由に動く関節であること”を前提に設計されていると考えるのが合理的です。手首が自由に動かない限り、そこを支点としてゴルフクラブに円運動を起こさせることができないということです。