一般ゴルファーの9割は、長尺にしてもヘッドスピードやボール初速はアップしない!?
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第19回
先日、世界のゴルフのルールを決めているR&AとUSGAが、パターを除くクラブの長さが46インチを超えてはならないとするローカルルールの新設を発表。プロトーナメントや主要アマチュア競技での適用を目的としたもので、期間は2022年1月から効力を発揮するとした。
では一般アマチュアゴルファーにとって、この発表の影響はどのくらいあるのか?そもそも長尺にする意味は?今回は世界のゴルフ界で話題になっている長尺ドライバー規制についてゴルフライターのT島氏が切り込みます。
写真提供/大蔵ゴルフスタジオ
(金子)でも、どうだったんですか実際伸びたんですか。
(T島)金子君、スルーするなよ。うまく当たれば飛距離は伸びる。でもイマイチな辺りの時もある。GPS距離計で打った地点から次に打つ地点までの距離がわかるけど、平均すると気持ち伸びたかなって感じ。
(金子)T島さんの場合、曲がってOBってのがありませんからね。その点では可能性はあったわけでしょ?
(T島)だから1年近くテストしたね。まず48インチぐらいに伸ばすと、弾道が高くなるのでロフト角の小さいヘッドにする。スピンも増えるので可変ウエイトで、重心を前にする。そして、ヘッドが重いと振り切れないので、ヘッド重量を10グラムぐらい軽くした(200→190グラム)
(金子)結構大変なんですよね。シャフトも40グラム台とかでしょ?
(T島)フジクラさんのプラチナスピーダーの30グラムのXとか、本命だったんだけどなぁ。
(金子)軽くして、フレックスを硬くするんですよね。うちのお客さんにも同じアドバイスして、実際作ってみて飛距離が伸びる方もいらっしゃいました。以前この連載で言いましたけど、エンジンは自分ですから、非力だから長尺というのは実は矛盾がある。伸ばすことで遠心力が増えますが、その遠心力を自分で生み出さないといけませんから本当に非力な方には向きません。そしてルールギリギリまで長くすると、相当なパワーが必要です。
(T島)そうなんだよね、ルールギリギリの長尺はそもそもパワーが無い人には向かないの。ミケルソンもデシャンボーも、普通の長さでも300ヤード飛ばせる。そんな人が更に飛ばすのに有効。
(金子)T島さんみたいにルールギリギリはハードルが高いけど、やや非力な方、女性の方ならいつもより少し長くするのはアリですよ。
(T島)具体的な数字で言うと?
(金子)そうですね1~2インチぐらいです。ドライバーだと長め作っておいて後で切ることもできますから。
(T島)そうだよね。気持ち長めにしておいて、実践で試してあとで調整すればいい。
(金子)そう言えばT島さん、いつも長めに作りますよね?
(T島)だって1度切ったら伸ばせないじゃん。
(金子)なるほど!でも1インチぐらいなら意外と簡単に挑戦できるんですよ。
(T島)ミート率が良いベテランゴルファーならきっと飛距離アップできるかも。46インチぐらいなら、体感もしやすいし。オーダーだからできることだね。
(金子)ちょっと長くしてみたい方、ご相談下さい。
(T島)向いていない方は、フィッター金子が笑顔でハッキリとやさしくダメ出しします(笑)
(金子)はい。お客様のためなら心を鬼にしてハッキリといいます。