ゴルフ雑誌などで紹介しているヘッドとシャフトの“黄金マッチング”は本当にあるのか?

ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第23回

2021/11/12 ゴルフサプリ編集部



大蔵ゴルフスタジオの金子フィッター

このシャフトとこのヘッドを組み合わせるとものすごく飛距離が出るといった“黄金マッチング”。雑誌やWebショップのブログなどでよく紹介されているが、本当に“黄金マッチング”はあるのか?日々ゴルファーのフィッティングをしている大蔵ゴルフスタジオの金子フィッターにゴルフライターのT島氏が切り込みます。

写真提供/大蔵ゴルフスタジオ

(T島)あのぉ、よく雑誌やWEBショップさんがブログなどで、“飛距離の出る黄金マッチング”なんて見出しを目にするんですけど、あれってどうなのでしょうね?

(金子)“このヘッドとこのシャフトを組み合わせると最高に飛ぶ!“的なやつですよね。すいません。ちょっとそういうデリケートなお題は市川の時にお願いします。

(T島)まあそう言わないで、ネタがないから毎回必死なのよ。

(金子)正直言います。万人に黄金マッチングはないです。だったらフィッティングも要らないですよね。

(T島)要らないね。

(金子)例えば、スライスに悩んでいるゴルファーに、捕まるヘッドに捕まるシャフトという組み合わせは結果がでそうです。でもどの程度クラブで補ってあげればいいのか?ゴルファーによって違います。あまり簡単に“黄金”とか使ってほしくないです。誤解を生みやすいと思います。

(T島)そうだよね。私的には5W1Hのいちばん大切なWHOがないって致命的かと思う。

(金子)お客様でも“この組み合わせが最高”と友人に言われて選んだという方が相談に来られることもあります。

(T島)ゴルフ仲間でブームみたいなのあるね。“あいつコレにして飛距離が伸びたので買ってみたけど……右にしか飛ばないとか”ってやつ。

(金子)我々があるお客様にフィッティングして、結果的に飛距離が伸びて、“同じものを作ってくれ”とご友人の方が来られることあります。

(T島)えっ、“僕もフィッティングして欲しい”じゃなくて?

(金子)そうなんですよ。なんだか“飛ぶ組み合わせ”があると思っている方が意外と多いです。それが見つかったんならフィッティングなんか要らないみたいな……

(T島)優勝したツアー選手のクラブとか、飛距離が伸びたツアー選手のクラブと同じものが欲しい!っていうのと同じ。

(金子)優勝してるツアー選手と同じパターを買っちゃったT島さんなら気持ちがわかるかと。

(T島)グサッ……はい稲見萌寧選手と同じトラスパター買いましたよ。でもドライバーは流石に無いよ。でもそういう気持はよく分かるけどね。

(金子)メーカーさんも、ある意味そういう効果を狙っていますものね。

(T島)でも、黄金マッチング的な組み合わせがあったら、こんなに新しいクラブとかシャフト要らないよね。

(金子)フィッティングもフィッティングスタジオもフィッターも要りません。

(T島)あの、こんなT島のとこにも「ヘッドスピード42m/sで持ち球はドローですけど、このドライバーは僕に合いますか?」なんて知らない人から相談のメッセージが来たりします。

(金子)これもあるあるですね。それだけではゴルファーの実像の5%も理解できない感じがします。

(T島)ホントゴルファーでも十人十色ですし、スイング軌道の傾向、フェースの開閉具合とか、タイミングのとり方とか、同じヘッドスピード42m/s、持ち球ドローでも全然違うもんね。

(金子)はい。だから僕たちは毎日フィッティングしているんです。