5万円もらったらゴルフクラブ、ゴルフウェア、キャディバッグ、何を買いますか?

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第1回

2022/01/01 ゴルフサプリ編集部



カート

ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

撮影/篠原嗣典

いつものコースの昼時。レストランで、シャワーを浴びている同伴者を待っていたときのことです。

初冬のコースは満員御礼で、多くのゴルファーで賑わっていました。隣のテーブルには、20代後半と思われる男性二人と女性二人がランチをしながらゴルフ談義をしていました。
話題は、18歳以下の子供に配られる10万円の臨時特別給付金でした。5万円は現金で、5万円は文房具などに使えるクーポンだという話から、突如、ゴルフ用品にしか使えない5万円クーポンだったら、どう使う? という話になったのです。

耳をダンボにして、彼らの話を聞きました。

ゴルフを始めて、最初に驚くのは、一発ミスをしただけでなくなってしまうゴルフボールが1個数百円もすることだとよく聞きます。それも、最低でも10個ぐらいはバッグに準備しておくように言われて、どんだけお金がかかるのだ、と絶望したという若いゴルファーもたくさんいるようです。

ゴルファーの異常な金銭感覚は、ゴルフをして、その面白さに魅了されると、あっという間に当たり前になってしまいます。

順番が前後しますが、同年代で、ゴルフ歴も20年を超える同伴者二人がレストランに来たので、5万円のゴルフ用具クーポンが配布されたら、何に使うかを聞きました。
「5万円か…… 中途半端ですね」
「ウェッジが少し傷んでいるので、2本のウェッジを買い換えるかなぁ」
「僕は、5万円に少し現金を足して、狙っているドライバーですね」

この感覚というか、チョイスは、今までのゴルファーの“普通”であり、常識なのだと思います。
ちなみに、僕は、この日、試打をしたハイブリッドを買う、という回答でした。

5万円はお気軽な金額ではありませんが、どんなゴルフギアでも購入可能な金額としては、少し足りないのです。ゴルファーの金銭感覚は、世間一般とは、少しズレているぐらいがちょうど良いのです。