タイガー・ウッズ使用で話題のブリヂストンスポーツ TOUR B XSでいち早くラウンドしてみた!
ロマン派ゴルフ作家 篠原嗣典の新製品試打
まだ正式なリリース前で詳細はわからない2022年バージョンのブリヂストンスポーツ 『TOUR B X』と『TOUR B XS』をいち早く入手。飛び出すように、コースに出て、ラウンドをしてみた。どんな進化をしているのか? モデルチェンジの真相に迫る。
撮影/篠原嗣典
撮影/篠原嗣典
ブリヂストンスポーツのご厚意で、来春発売の『TOUR B X』と『TOUR B XS』を使用して、コースで実際にランドをすることになった。
情報公開は、来年ということで、詳細なモデルチェンジの内容については不明だが、とにかく打ってみた上での個人的感想は広く公開しても良いという許可を得て、速報としてレポートすることにする。
まずは、先日、復帰したタイガー・ウッズが自身のSNSで「信頼している」と絶賛している新しい『TOUR B XS』で14ホールをプレーしてみた。
一発目のドライバーショットで感じたのは、二つ。
打ち応えが軽めで、やわらかさが強調されていることが一つ目。これは、2021年のボールのトレンドでもあり、また、前モデルの『TOUR B XS』も同様な特徴があったので、大きな変化ではない。
もう一つは、弾道に少し伸びが出て、高弾道になったと感じたこと。棒球というよりも、美しい弾道だ。
飛距離にかんしては、前モデルで格段の向上があって、トップレベルに飛ぶボールとなったが、その性能は維持していて、ヘッドスピード40m/sでも、220ヤードの飛距離だった。
やや控えめな音量の打音は、微かな残響がある高音で、やわらかいのに、カチッとした印象を与える。個人的には大好きな打音。
プレーを進める中で感じたのは、「扱いやすいボールになっている」ということだった。
前モデルの『TOUR B XS』は、ヘッドスピードが速いゴルファー向けにチューニングされていて、自分のヘッドスピードだと、性能を引き出し切れていない、という感覚があったが、その残念感を一切感じさせないからだ。
飛距離性能はトップレベルを維持して、全体としてはスピンがかかりやすくなった。
ショートゲームが一番顕著で、50ヤードぐらいの寄せでも、きっちりクラブが入れば、少し戻ろうとする強烈なスピンがかかる。アイアンも、落ちた場所で確実に止まってくれる。ハイブリッドやフェアウェイウッドでも、ランは最小限で、グリーンをキャリーで狙っていけるスピン量を感じた。
面白かったのはパットで、やわらかいのに、必要な弾き感はしっかりとしている。
打音も、大きくはないが、芯に当たればきれいな高音を響かせて、同伴者の耳にも十分な情報を伝える。
『TOUR B XS』の前モデルは、ひと言で書くと、コントロールに自信があるゴルファーが敏感さを武器にして使うボールだった。
新しい『TOUR B XS』は、たぶん、契約プロの意向を反映して、大きく変更はしていないが、良い意味で少し鈍感になって、それがやさしく、使いやすくなった、と感じさせる。
バックスピンは強くかかるようになり、ボールはストレート系に飛びやすくなった。
ラウンド中に注目した点は、ショートゲームやショートアイアンで、左右の打ち分けには鈍感になったのに、高低の打ち分けにはより敏感に反応するように感じたことだ。ナチュラルに打てば、スピンがかかった高弾道が出るのに、低い球を狙えば、狙い通りに打ち出しから低いボールが出る。
この辺りのテクニックを使えるゴルファーは多くはないが、使えるゴルファーにとっては、これこそがツアーボールと歓喜する出来である。
『TOUR B XS』は、前モデルで足りなかった部分を加えて、ツアーボールとしての総合力をアップしたマイナーチェンジをしたと感じた。
飛距離が出る超人クラスのゴルファーの好みに合わせたボールとして、少し癖があるボールだった『TOUR B XS』は、誰が使用しても機能を発揮できるように新しくなると言える。
僕は現在、『TOUR B X』を使用球として愛用しているが、新しい『TOUR B XS』は使用球にしても良いと考えてしまうほど総合力がハイレベルなボールに仕上がっていると感じた。
初めてのボール、極寒の状況にもかかわらず、14ホールを1バーディー、2ボギーでプレー出来たのが、何より『TOUR B XS』の優秀さを物語っているのである。