カーボンウッドのテーラーメイド ステルス ドライバーは新しい時代の幕を開けるのか?

コリン・モリカワも実践投入したテーラーメイドの新ドライバー『ステルス』を深掘り

2022/01/14 ゴルフサプリ編集部



2022年、米ツアー初戦「セントリー トーナメント・オブ・チャンピオンズ」で、テーラーメイドの新しいブランド『ステルス(STEALTH)』が、正式にツアーデビューした。
これからのドライバーは、カーボンウッドになるという未来について掘り下げる。

米ツアー初戦「セントリー トーナメント・オブ・チャンピオンズ」は、2022年1月6日から1月9日までハワイで開催され、テーラーメイドの『ステルス』のドライバーを実戦投入したコリン・モリカワが5位タイだった。

4日間のトーナメントを録画して、何度も何度も繰り返して見た。モリカワのドライバーショットを確認するためだ。

テーラーメイドの新ブランド『ステルス』のドライバーは、カーボンウッドである。
過去にも、カーボンウッド、カーボンフェースのドライバーは出現しては消えてきたという歴史がある。
消えてしまった理由は、打音の悪さとフェースが傷に弱かったからだ。

モリカワのドライバーショットの映像を見て、正直に書くと、ホッとした。
表現が難しいのだが「キン」という感じの金属系を感じさせるドライバーの打音を響かせていた。
少し音量は控えめで、残響が少ないところは好みの範囲であるが、過去のカーボンヘッドや、カーボンフェースのような「ボコ」とか「ペシッ」というような打音ではなかった。

モリカワは、過去2年でメジャーを2勝しているが、そのときにバッグに入っていたドライバーは『SIM』だった。昨年、新しい『SIM』にチェンジせずに、初代の『SIM』を使い続けたのである。
こだわりや愛着があるドライバーを変更して、トーナメントに挑むというだけで『ステルス』に注目が集まるのは当然である。

モリカワのバッグに新たに入ったのは、3種類ある『ステルス』ドライバーの一つの『ステルス プラス ドライバー』だった。
ソールのフェース寄りに弾道調整を可能にする移動可能なウェイトが搭載されているやや前重心のドライバーが『ステルス プラス ドライバー』である。

トーナメント直前のコメントで、基本的には前のドライバーと同じなのに初速だけが増して、少しだけ飛ぶようになった、ということだったので、飛距離に注目が集まった。

モリカワの昨年の平均飛距離は「295.2ヤード」だったが、今回のトーナメント4日間の平均飛距離は「297.3ヤード」と少しではあるが伸びている。
トッププロにとっての数ヤードは、一般的なアマチュアでは例えようがないほど大きいと聞く。まずは成功とみて良いのだと思う。

それよりも、スペックで興味深いのは、フェアウェイキープ率が71.43%(出場選手の9位)とパーオン率79.17%(同2位)だ。
モリカワは、アイアンの精度でゴルフを作る傾向が強いが、その下支えはドライバーの精度だということも事実だ。

2022年の新ドライバーは『ステルス』だけではないが、テーラーメイドが新しい時代の幕を開けると宣言して投入するカーボンウッドをツアーでトッププロがどのように使い熟すのか? 注目するのが正解である。