カーボンウッドで飛ぶ!と話題のテーラーメイド・ステルスドライバーでラウンドしてみた!

コリン・モリカワが使用を開始したテーラーメイドのステルスは本当に凄いのか?

2022/01/18 ゴルフサプリ編集部



テーラーメイド・ステルスドライバー

テーラーメイドが、これからのドライバーはカーボンウッドになると宣言して市場投入する『ステルス』を、早速コースで打ってみた結果、色々なことが判明した。カーボンウッドは本当に凄いのか? ロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が真相に迫る。(試打感、評価は個人的見解によるものです)

撮影/篠原嗣典

2022年が始まり、春に向けての新製品の中でダントツに注目を集めているのは、赤いカーボンフェースの『ステルス ドライバー』である。

カーボンウッドドライバーは、『ステルス ドライバー』『ステルス プラス+ ドライバー』『ステルス HD ドライバー』の三種類が2月4日に発売される。

テーラーメイドのご厚意で、『ステルス ドライバー』『ステルス プラス+ ドライバー』を、いち早くコースで試打させてもらった。
コースにお願いして、ドライバーだけ1ホールで2回打っても良いという許可を得て、極寒というバッドコンディションではあるが試打ラウンドをスタートした。

『ステルス ドライバー』は、安定性とさらに低重心になってるスタンダードモデル。
『ステルス プラス+ ドライバー』は、ソールに「スライディングウェイト」が装着された上級者向けのチューニングになっているモデルである。

構えたときの違和感は、ほぼない。どちらも、テーラーメイドのドライバーらしいフォルムである。
赤いフェースは、かなり面積があるので目立つが、それも簡単に慣れることが出来そうだと感じた。

打ってみて、まず最初に驚かされたのは、やはりカーボンフェースは若干の違和感があるということだ。
簡単に書くと、やわらかい感触があって、フェースに接している時間が長く感じる。打ち応えは、かなり軽い。
総じて、ソフトな感じだとくくることも出来る。

心配していた打音は、辛うじて合格点という感じだ。
金属系のきれいな音質だが、音量は少し小さい。『ステルス プラス+ ドライバー』のほうは、特に小さい。
多くの見識者が『ステルス』の打音に何ら問題なし、と太鼓判を押しているが、彼らのほとんどは、天井と壁がある室内練習場、もしくは、天井と固い床がマットの下にある練習場という強い反響がある状態で聞いた音で判断している。
反響があると、しっかりした音に聞こえる傾向があるし、音量も大きく聞こえるものだ。

しかし、ゴルフクラブは、コースで使うものであり、打音は反響がないコースで確認しないとわからないのだ。
『ステルス ドライバー』『ステルス プラス+ ドライバー』共に、美しい打音だが、それは細く、弱い。金属系の打音に慣れている現代においては、ギリギリであり、しっかりとした打音が好みのゴルファーには、かなり頼りない音だと感じるレベルだ。

次に飛距離性能である。
『ステルス プラス+ ドライバー』は、最も飛んだホールで235ヤード。
ヘッドスピード40m/sとしては飛ぶドライバーではあるが、実は前モデルの『SIM2』とほとんど変わらない。
平均となると205ヤードぐらいまで落ちてしまう。これは、ボールが大きく曲がるので、木に当たったりして、飛距離がロスするホールがあったからだ。

『ステルス ドライバー』も、最も飛んだホールで235ヤード。
平均は220ヤードだった。トップレベルに飛ぶドライバーに分類されることは間違いないが、チタンフェースのドライバーと比較して、特別に優れているという感じはしなかった。

新しい時代の扉を開けるというハードルが上がった状態だっただけに、正直な話、カーボンウッドにはガッカリした。
チタンに劣ってはいないものの、この程度であれば、無理をしてカーボンを採用する必要性を感じない、と思った。