ソニーオープン優勝!松山英樹の72ホール目とプレーオフでのティーショットの凄さの意味
レックス倉本のGOLFアメリカンな話”ちょっと聞いて〜や‼︎”/第14回
2022年が始まりました。私も年末年始は久しぶりに日本で数週間過ごし日本を満喫しましたが、先週からフロリダ州オーランドでPGA TOURの解説の仕事を開始しました。皆さんは新年をどのように滑り出しましたでしょうか。今年もよろしくお願いします。そのPGA TOUR先週のソニーオープンでの最終日の興奮が抜けない方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、松山英樹選手も素晴らしい滑り出しを果たしましたね。お見事でした!では、今年の最初のGOLFアメリカンな話”ちょっと聞いてーや!”は進化し続ける松山選手のプレーと、その松山選手に続いて海外ツアーに挑戦する小平選手、金谷選手と中島選手の情報をお届けします。
2022年の第1戦目、第2戦目となった2週間のハワイでの松山選手のプレーを振り返ると、決して絶好調で試合に臨んでいたとは言えないコンディションで、ソニーオープンの最終日はもちろん素晴らしいショットも放ちパッティングも冴えていましたが、スコアを作ることにすごく集中してプレーをしていたように見えました。
松山選手の何が一番凄いかというと、そんな状況でも勝ち切れるというところ。
今、PGA TOURの中でボールストライキングが最高の状況ではないにもかかわらず、総合力で試合を勝ち切ることのできる選手は誰かと思った時に浮かぶのは、タイガー・ウッズはもちろんですが、ローリー・マキロイとジャスティン・トーマスくらいしか出てこないんですよね。松山選手は、そんな選手のひとりに間違いなくなりましたね。
今回の松山選手のプレーぶりは、勝ち負けの勝負をするというよりももっと上の次元で勝負しているように見えました。
象徴的なのは72ホール目(最終日の18番ホール)のティーショット。あえて左コーナーのバンカーの先を狙ってフックボールを強振して攻める必要もなかったと思うのですが、おそらく松山選手の心の中では、自分でイメージしていたドロー系のボールが勝負で打てるかどうか、普段練習してきたショットがこの勝負どころでできるかを試す機会だと思って打ったんじゃないかな、と私は勝手に想像しています。
もうひとつ上の次元で自分に対して勝負をしていたんだと。それで自分のイメージ通りのボールがほぼ打てたので気持ちよくセカンド地点に進んだんだと思います。
対して、プレーオフの同じホールでは先に打ったラッセル・ヘンリーがティーショットをバンカーに入れたのを見て、松山選手はバーディをとるルートを攻める作戦に徹してティーショットはフェアウェイウッドを持ち、今度は勝負に徹した攻め方をしました。
勝ち負けももちろん大事なんですが、松山選手は常に自分の理想とするゴルフに挑んでいく、そんなプレーを今回も私は見た思いがしています。去年のマスターズ優勝、それからコロナにかかった後の灼熱の日本でフラフラになるまでプレーしきったあのオリンピック、ZOZO優勝、そしてソニーオープン優勝と勝利を重ねるたびに一皮もふた皮も剥けて進化を続けている松山選手ですね。
今回のソニーオープンでは、その松山選手に続けと海外ツアーに挑戦する3人の日本人プレーヤーも注目でしたね。
まずは小平智選手。スイングはめちゃくちゃ良くなっていて、去年日本に帰ってからさらにバージョンアップしたように見えました。それが先週の結果につながったということは、今年のシーズンは大きな飛躍が期待できます。
今の彼は準シードのようなポジションなのですが、次のリランキングまで賞金を重ねると夏場の試合も出場できる可能性が広がり125位以内も射程圏内になり、このゴルフをしていたらKorn Ferry Tourでは間違いなく活躍できるでしょう。
金谷選手は先週は予選落ちはしましたが、ヨーロッパツアーとPGA Tourに挑戦するという目標をしっかり持っていて、練習を重ねながら調子をあげていく選手なのでこれからが楽しみです。私と同じ広島出身、オーランドにきたらお好み焼きを焼いて応援しますよ!
そして、中島啓太選手。彼も練習を重ねて這い上がってくるタイプ。松山選手の背中を見て間違いなく刺激を受けていると思います。
ガレス・ジョーンズというJ G Aのコーチを信頼し、普段の生活からジョーンズコーチの指導を受けて実力をアップさせてきた、日本人男子プロではちょっと珍しい師弟関係の絆が強いところも彼の強さを支えていると思います。松山選手の背中を見て挑戦している彼らの活躍は松山選手にもいいモーチベーションになっているんではないでしょうか。
ここに書けなかった松山選手と中島選手のめちゃくちゃいい関係の話などさらに詳しい続きは、下記「レックス倉本のBYTC GOLF」のYouTube音声動画で引き続きお楽しみ下さい。Podcast、Anchorでも配信中。「レックス倉本」で検索してください。