ランガーの記録とルーキーの活躍に注目!! 2022PGAツアーチャンピオンズの展望と見どころ
米国シニアツアーのPGAツアーチャンピオンズは三菱エレクトリックチャンピオンシップat フアラライ(ハワイ島フアラライGC:1月20日~22日)が開催され、PGAツアーチャンピオンズが開幕。プロコーチ・吉田洋一郎が2022年の展望を語る。
写真/Getty Images
新しい年が明け、ゴルフ界も各ツアーが開幕した。米国シニアツアーのPGAツアーチャンピオンズは三菱エレクトリックチャンピオンシップat フアラライ(ハワイ島フアラライGC:1月20日~22日)がおこなわれ、新シーズンがスタートした。この開幕戦は、直近2年のツアー勝者、直近5年のメジャーチャンピオン、世界ゴルフ殿堂入りなどの条件をクリアした42選手しか出場できないエリートフィールドだ。私はここ2年ほどCS放送のゴルフネットワークでPGAツアーチャンピオンズの解説を担当しているが、開幕戦の解説は新たなシーズンが始まるということで、いつもよりワクワクした気持ちになる。
今年の開幕戦には、昨シーズンに6度目の年間王者に輝いたベルンハルト・ランガーをはじめ、昨年ランガーと年間王者を競ったジム・フューリック、アーニー・エルス、ビジェイ・シンらそうそうたる選手が名を連ねた。
試合は2日目までアーニー・エルスやビジェイ・シンらが首位争いをしていたが、最終日のバックナインでスティーブン・アルカーとミゲル・アンヘル・ヒメネスが抜け出して17アンダーで並び、2人によるプレーオフとなった。
昨シーズンから好調が続くアルカーは、プレーオフ1ホール目の18番パー4で完璧なショットを見せ、2メートル強のバーディーチャンスにつける。対するヒメネスはセカンドショットをグリーン奥にオーバーさせ、アルカーの勝利で幕を下ろすのかと思われた。しかし、アルカーのバーディーパットはカップ周辺で急激にフックして外れ、両者パーとして2ホール目に向かった。
アルカーは完璧なストロークをしており、パットを打った瞬間に勝利を確信していたに違いない。そこで気落ちしたわけではないだろうが、2ホール目でアルカーが2打目をバンカーに入れてしまい、バンカーショットでも寄せきれず、万事休す。ヒメネスがパーだったのに対し、アルカーは3メートルのパーパットを決められず勝負が決まった。
今回で3度目の開幕戦優勝を果たしたヒメネスのプレーは見事だったが、アルカーは本当に惜しかった。プレーオフ1ホール目のバーディーパットは完璧に見えたが、アルカーによると「芝目に持っていかれた」という。しかし、アルカーの今大会の平均飛距離は300ヤードを超え、フェアウェイキープ率は90.5%(4位タイ)、パーオン率は88.9%(1位)とプレー内容は非常に素晴らしく、今後の活躍が期待できる内容だった。