30年前のスーパースターのゴルフ戦略【グレッグ・ノーマン独占インタビュー(前編)】
30年前のインタビューを振り返る Part1【ゴルフトゥデイ創刊600号記念】
ゴルフトゥデイ創刊号をゴルフサプリでご紹介する企画。30年前に掲載されたグレッグ・ノーマン独占インタビューの前編です。創刊号当時の編集長のコメントとともにお届けします。
GOLF TODAY本誌 創刊号/25~29ページより
1991年の創刊から遡ること5年。1986年の夏7月に私はスコットランドのターンベリーで全英オープンの取材をしていた。朝の7時から、夜は9時くらいまで明るいこともあり、コースを2ラウンド、3ラウンド回るくらい歩き回っていた。初めての全英オープンということや、ゴルフの故郷に来たという興奮がそうさせていたのかもしれない。
当時は怖いもの知らずで、練習日に優勝候補として注目されていたスペインの英雄セベ・バレステロスに声をかけてインタビューを申し込んだ。メジャーの大会前という状況でそんなことを言ってくるメディアはいない。それでもセベはクラブハウスから練習場までの道を肩に手を回して優しげに話しを聞き、「残念だが今週は時間がないよ。日本にまた行くから、その時に受けるよ」と優しく応えてくれた。
そして次に突撃したのが当時飛ぶ鳥を落とす勢いのグレッグ・ノーマン。豪州のグレイトホワイトシャークの愛称でPGAツアーでも注目の選手。私もそのダイナミックなプレーぶりが気に入っていて、これからさらに世界のトップ選手になるという予感あったからだ。
ショット練習が終わったタイミングで声をかけると「シュア!」の一言。すぐにテレビ朝日の通訳の助けも借りて、立ち話とは言え、結構面白い話をしてくれた。そしてなんとその週末には、メジャーの初タイトルを獲得してしまった。もちろん当時所属していた週刊誌には優勝者の独占インタビューとして掲載された。その後ノーマンは予想通り世界を代表する選手となった。
創刊号の企画会議で、そんな思い入れのある選手にもう一度インタビューを敢行したいと申し出て、それが通りフロリダに飛んだ。なぜなら彼の会社と自宅がウエストパームビーチにあり、その近くで開催するドラル・ライダーオープン取材とともインタビューすれば無駄がないということ。しかしそうはうまくいかなかった。