オデッセイの「イレブン パター」は未来を照らすパターである!
オデッセイの新しい『ELEVEN パター』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!
『ELEVEN パター』は、どうして『TEN パター』シリーズではないのか? コースに持ち込んで、その謎を紐解き、レポートする。
撮影/篠原嗣典
キャロウェイは、オデッセイブランドで2022年2月18日に『ELEVEN パター』を発売した。
『ELEVEN パター』のヘッド形状は、台形のマレットである。
ぱっと見でわかるのは、新しいスパイダーみたいだなぁ、ということだ。
オデッセイには『TEN シリーズ パター』がある。いわゆる蜘蛛型のヘッド形状だ。『ELEVEN パター』のヘッド形状なら、新しい『TEN シリーズ パター』で良かったはずだ。
本家であるテーラーメイドの最新のスパイダーのヘッド形状は、足のような突起が消えて、台形なのだ。
どうして、『ELEVEN』という名称のパターになったのだろうか?
疑問に感じながら、『ELEVEN パター』を観察してみると、形状だけではない秘密がわかってくる。
ソールを見るとわかるのであるが、今までの蜘蛛型のヘッドと似ているのは形状だけで、中身は別物なのだ。パターとしてのコンセプトが、全然違う。
ソールの前方にスチールのウェイトがあり、ヘッドの後方下部に、ウレタン樹脂とアルミニウムを使っているのだ。つまり、最近のパターのトレンドである「前重心」になっている。
後方に重心を持っていき、できるだけウェイトを分散させることで、ミスヒットに強いというやさしさがあるという理論のパターは、分野として残ると思うが、そのやさしさが、ボールの方向性などにクセのような影響をしてマイナスになってしまうケースもある。
重心を浅くして、操作性をアップするという発想は、まさに、最先端の最先端であり、先祖返りのかつての名器の理論だったりも、するわけなのである。
オデッセイが本腰を入れて、この分野で勝負をするという意気込みの証拠が『ELEVEN パター』という『TEN』の次という部分に現れていると感じる。
何といっても、ヘッドのクラウンのサイトラインの種類やネック形状で、7種類の『ELEVEN パター』があるのも、力が入っていることを裏付けている。(男性用に5つと女性用2つ)
今回は、1本の白いサイトラインだけが引かれて、ショートネックの『ELEVEN S TOUR LINED パター』と、トリプルトラックのラインが引かれた『ELEVEN S TRIPLE TRACKパター』の2本をコース試打することになった。
僕は、すでに1年前から浅い重心のパターを使っていて、その前は蜘蛛使い(スパイダー型やTEN型を使っている人のこと)だったので、『ELEVEN パター』がその分野のパターとして優秀であるかどうか? ということがわかりやすいはずだし、テーラーメイドの新しい『スパイダー GT』も打っているので、ちょうど良いテスターということになる。
コースに持ち込んで、じっくりと試打をしてみた。