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オデッセイの「イレブン パター」は未来を照らすパターである!

オデッセイの新しい『ELEVEN パター』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!

2022/04/19 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

オデッセイの新しい『ELEVEN パター』

『ELEVEN パター』は、どうして『TEN パター』シリーズではないのか? コースに持ち込んで、その謎を紐解き、レポートする。

撮影/篠原嗣典

どうして『ELEVEN』なのかという謎!

オデッセイの『ELEVEN パター』
オデッセイの『ELEVEN パター』

決め手は“浅重心”|オデッセイ「ELEVEN パター」登場

オデッセイから新感覚ネオマレットパター「ELEVENパター」が登場。2022年2月中旬発売予定。

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キャロウェイは、オデッセイブランドで2022年2月18日に『ELEVEN パター』を発売した。

『ELEVEN パター』のヘッド形状は、台形のマレットである。
ぱっと見でわかるのは、新しいスパイダーみたいだなぁ、ということだ。

オデッセイには『TEN シリーズ パター』がある。いわゆる蜘蛛型のヘッド形状だ。『ELEVEN パター』のヘッド形状なら、新しい『TEN シリーズ パター』で良かったはずだ。
本家であるテーラーメイドの最新のスパイダーのヘッド形状は、足のような突起が消えて、台形なのだ。

どうして、『ELEVEN』という名称のパターになったのだろうか?

疑問に感じながら、『ELEVEN パター』を観察してみると、形状だけではない秘密がわかってくる。
ソールを見るとわかるのであるが、今までの蜘蛛型のヘッドと似ているのは形状だけで、中身は別物なのだ。パターとしてのコンセプトが、全然違う。

ソールの前方にスチールのウェイトがあり、ヘッドの後方下部に、ウレタン樹脂とアルミニウムを使っているのだ。つまり、最近のパターのトレンドである「前重心」になっている。

後方に重心を持っていき、できるだけウェイトを分散させることで、ミスヒットに強いというやさしさがあるという理論のパターは、分野として残ると思うが、そのやさしさが、ボールの方向性などにクセのような影響をしてマイナスになってしまうケースもある。
重心を浅くして、操作性をアップするという発想は、まさに、最先端の最先端であり、先祖返りのかつての名器の理論だったりも、するわけなのである。

オデッセイが本腰を入れて、この分野で勝負をするという意気込みの証拠が『ELEVEN パター』という『TEN』の次という部分に現れていると感じる。

何といっても、ヘッドのクラウンのサイトラインの種類やネック形状で、7種類の『ELEVEN パター』があるのも、力が入っていることを裏付けている。(男性用に5つと女性用2つ)

今回は、1本の白いサイトラインだけが引かれて、ショートネックの『ELEVEN S TOUR LINED パター』と、トリプルトラックのラインが引かれた『ELEVEN S TRIPLE TRACKパター』の2本をコース試打することになった。

僕は、すでに1年前から浅い重心のパターを使っていて、その前は蜘蛛使い(スパイダー型やTEN型を使っている人のこと)だったので、『ELEVEN パター』がその分野のパターとして優秀であるかどうか? ということがわかりやすいはずだし、テーラーメイドの新しい『スパイダー GT』も打っているので、ちょうど良いテスターということになる。

コースに持ち込んで、じっくりと試打をしてみた。

進化した蜘蛛型のパターで入れまくれ!

オデッセイの『ELEVEN パター』
オデッセイの『ELEVEN パター』

『ELEVEN パター』は、結論から書くと、想定の5倍ぐらい良い出来だった。

まず、一つ目に優れていると感じたのは、形状が生む安定感と引きやすさだった。
安定感は、ラインにヘッドが合わせやすいことと、据わりの良さだ。とにかく、ノーストレスで構えられるところは、流石、オデッセイである。

引きやすさは、テークバックする際に、動かしにくかったり、アウトサイドに上がりやすかったりするパターがあるので、動かしやすいか、また、ストレートに引きやすいか、という点を見ている。
これも完璧だった。人間工学的に、真っ直ぐなラインが並んでいるより、外周やそれに伴う直線が内側に向いているほうがストレートに引きやすくなるらしいが、スムーズにスタートして、良い感じにテークバックが出来た。

二つ目は、芯に当たったときの高音の音質の打音と、やや小さめの音量と、しっかりした打ち応えがマッチしているところが良かった。この部分は、気分的なものではあるが、統計を取ると打音は距離感の打ち分けに影響するのだから、バカには出来ない。
芯に当たったときのクリアな感じは、素晴らしいチューニングで、フェースに使われているホワイトホットを意識させた。

三つ目は、本題で、前重心であるが、とても上手に機能することを感じた。
後方から押すような動きは皆無で、引っ掛ける癖があるゴルファーや、ここ一番で飛びすぎてしまう悩みがあるゴルファーに、『ELEVEN パター』はオススメである。

扱いやすいパターで、前重心の分、インパクト時のヘッドコントロールが敏感になっている。

経験的に『ELEVEN パター』は、入り出したら止まらなくなるというゾーンを支える一本だと感じた。
実際に、2本のパターを使ってラウンドしたスコアも良かった。渋い距離のパットが入ったり、ロングレンジの距離感も、何年も使っているパターのようにピタピタと合っていた。

まとめると、『ELEVEN パター』は、『TEN』の良いところをしっかりと残しつつ、オデッセイのテクノロジーを詰め込み、トレンドを取り入れたパターである。

しっかり目にヒットするゴルファーのほうが、より機能するように感じた。
ボールはきれいに転がり、狙った距離感も、ホワイトホット・インサートを使ったことあるゴルファーならば、苦労せずにバッチリである。

『ELEVEN パター』は、前重心の『TEN』型だとまとめる人もいるだろう。

後方重心の分散型の『TEN』型で、パットにかんして不満がないのであれば、『ELEVEN パター』はただ違和感があるだけで、かつ、結果も出にくいパターだと思う。
しかし、後方重心の分散型パターが、明らかではなくとも、何となくしっくりきてないゴルファーは、『ELEVEN パター』を打ってみるべきである。

感覚がかなり違い、昔のパターのような感触を感じるゴルファーもいるはずだ。
僕も該当するが、昔のパターで必死に練習をして、パットの技術の基礎を作ったゴルファーは、とりあえず、打ってみることをオススメする。
懐かしさと同時に、“あの良い感じ”が蘇って、パットが楽しくなる可能性が高いからだ。

入り出したら止まらなくなりそうなパターが市場にあるのは、ゴルファーとして幸せなことである。

篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家

篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


コースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証
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