ミケルソンの全米プロ出場に関する噂や話題のサウジの高額ツアーについて

レックス倉本のGOLFアメリカンな話”ちょっと聞いて〜や‼︎”/第23回

2022/05/08 ゴルフサプリ編集部 レックス倉本



久しぶりにジョン・ラームが優勝しましたね。先週のPGAツアーはメキシコの美しいリゾート地で開催され、世界ランキング2位と言えどもやはり試合で勝つというのはそんなに簡単ではないということが伝わってくる展開でしたが、初日から首位を守り通しての勝利はお見事でした。今日はそのラームの話ではなく、ラームと言えばミケルソン、ミケルソンと言えばサウジツアーと連想を膨らませて、最近何かと話題に上がっているミケルソンとノーマンがCEOの「リブ・ゴルフ・インビテーショナルシリーズ」にまつわる噂について私の意見を述べようと思います。

フィル・ミケルソンが今月開催される全米プロゴルフ選手権にエントリーしたけど出場させてもらえないかもしれない、という噂があります。

皆さんもうご存知の通りミケルソンは一連の言動で現在はPGAツアーの出場を表面的には自粛していると言われていますが、彼が全米プロに出たいのならそれを誰も邪魔することはできないと思います。彼はディフェンディングチャンピオンですよ。全米プロの主催はPGA of Americaで、ミケルソンはPGAツアーとリブツアーに色々と文句は言いましたが、PGA of Americaには何も言っていません。ミケルソンはそれでスポンサーを全て失いましたがPGA of Americaが彼のエントリーを却下する理由は何もありません。仮に今PGAツアーメンバーの資格をなくしていたとしてもそれで全米プロに出られない、ということもあり得ません。そんなことがあったら先々法律上もかなり厄介なことになります。

次にPGAツアーがノーマンのツアーに出場するPGAツアーのメンバーの資格を剥奪するかもしれない、という噂。PGAツアーのメンバー資格は選手らが自分の力で勝ち取ったものです。そこに違うツアーに出場するということでメンバー資格を剥奪するのはおかしな話です。PGAツアーに忠誠心を誓う選手たちはそれはそれで素晴らしいし、その関係を大事にしてPGAツアーを大切にしていくというPGAツアーの運営サイドの気持ちもわからないわけではないけど、新しく参入するツアーを、そのお金の出所が理想的でないからという理由で阻害するというのはすごくおかしな話です。選手としては最終的にはプロなんだから高額賞金のツアーに出るために頑張ってその出場資格をとりその試合に出るんであって、それを誰からもとやかく言われることは全くありません。

私はPGAツアーの解説をさせていただいていますのでもちろんPGAツアーにはどんどん発展していってほしいという気持ちはあります。それはPGAツアーが本当に素晴らしいコンテンツだから世界のゴルフツアーの中で頂点に君臨して多くの強い選手らが集まってくるというのが理想の姿です。でも今の姿は脅威から新しいツアーを排除する方向に向くばかりで、共存する道を模索するとか、もしも新しい勢力が脅威ならそれ以上の努力をしてPGAツアーを大きくしようとする道を進むべきです。まだPGAツアーの態度も確定したものではなく、あくまでもこれまで報道で見聞きした情報だけでの判断ですが、噂で伝わってくるツアーから永久追放なんてことには絶対にして欲しくないですね。

そして、ノーマンが投げた変化球で揺れ動いているゴルフ界のなかで少し日本の男子ツアーのこれからの生き残る道を考えたとき、日本のツアーはリブツアーやPGAツアーなどの高額賞金のツアーと一緒にやっていかなければならなくなるかもしれませんね。例えば、年に2-3試合くらい30億円ほどの高額賞金のツアーと日本ツアーが共催し、その試合に出場するために日本ツアーの1億円くらいの20数試合で競い合い上位の選手がその試合に出場する権利が発生するようにする。そうすれば選手も高額賞金ツアーに出ることで億の賞金が稼げるチャンスを掴めるし、日本ツアーの20数試合がすごく意味のあるものになり夢のある魅力的なツアーになりませんか。これはリブツアーなどと一緒に共催するという仮の話ではありますが、もちろんPGAツアーやアジアツアーとの共存も今の世界のゴルフの流れに乗っていくとすればそういう方向しかないのかな、と思います。

まだまだここに書ききれなかったさらに詳しい話の続きは、下記「レックス倉本のBYTC GOLF」のYouTube音声動画で引き続きお楽しみ下さい。Podcast、Anchorでも配信中。「レックス倉本」で検索してください。