落ち葉ルールって何?秋ゴルフは落ち葉ルールでもっと面白くなる!
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第43回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
写真提供/篠原嗣典
秋ゴルフは暑くもなく、寒くもなく、気持ちが良いものです。秋晴れの空だったりすれば、より快適です。
春と秋にしかゴルフをしないという贅沢なゴルファーもいます。ハイシーズンは、ゴルフコースのプレー代も高くなります。
春ゴルフと秋ゴルフでは、どっちがより気持ちが良いか?というゴルフ談義もありますが、美しいという意味では秋ゴルフに軍配が上がるという意見がやや優勢な気がします。
春ゴルフは夏芝が緑に色付くのが晩春になってしまうので、秋の紅葉のほうがより長く楽しめて、緑とのコントラストも美しいからです。
紅葉のシーズンに秋ゴルフを楽しむのは、四季がある国のゴルファーに認められた特権です。とはいえ、ゴルフを長くやっていて景観を楽しむ余裕があるゴルファーは口を揃えていうのです。
「でもさ、案外と紅葉を楽しめるコースって少ないよね」
これには事実で、ちゃんと理由があります。落ち葉を掃除するのが大変なので、コース内の落葉樹は設計段階から最小限にする傾向があるからです。
秋の紅葉が綺麗なコースの多くは、借景と呼ばれるコースから見える敷地外の山や森の紅葉を楽しむものになっていて、コース内でホール全体が紅葉しているというケースはほとんどないのです。
バブルの頃は、スタッフにも余裕がありましたから、落ち葉の季節になるとグリーンごとにブロワー(空気圧でゴミを吹き飛ばす道具)を持ったスタッフがいました。1組がグリーンを降りて次の組がグリーンに来るまでの間に、プレーヤーの邪魔にならないように注意しながらグリーン上の落ち葉を吹き飛ばしていました。
当時はバンカー内の落ち葉は取り除くことができないルールでしたから、ゴルファーが運不運で不愉快な思いをしないようにバンカー内の落ち葉を吹き飛ばす専門のスタッフもいました。