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落ち葉ルールって何?秋ゴルフは落ち葉ルールでもっと面白くなる!

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第43回

2022/11/14 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ゴルフ場

ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

写真提供/篠原嗣典

秋ゴルフで紅葉を愛でるのは最高だけど、実は、大問題でもある

秋ゴルフは暑くもなく、寒くもなく、気持ちが良いものです。秋晴れの空だったりすれば、より快適です。
春と秋にしかゴルフをしないという贅沢なゴルファーもいます。ハイシーズンは、ゴルフコースのプレー代も高くなります。

春ゴルフと秋ゴルフでは、どっちがより気持ちが良いか?というゴルフ談義もありますが、美しいという意味では秋ゴルフに軍配が上がるという意見がやや優勢な気がします。

春ゴルフは夏芝が緑に色付くのが晩春になってしまうので、秋の紅葉のほうがより長く楽しめて、緑とのコントラストも美しいからです。

紅葉のシーズンに秋ゴルフを楽しむのは、四季がある国のゴルファーに認められた特権です。とはいえ、ゴルフを長くやっていて景観を楽しむ余裕があるゴルファーは口を揃えていうのです。

「でもさ、案外と紅葉を楽しめるコースって少ないよね」

これには事実で、ちゃんと理由があります。落ち葉を掃除するのが大変なので、コース内の落葉樹は設計段階から最小限にする傾向があるからです。

秋の紅葉が綺麗なコースの多くは、借景と呼ばれるコースから見える敷地外の山や森の紅葉を楽しむものになっていて、コース内でホール全体が紅葉しているというケースはほとんどないのです。

バブルの頃は、スタッフにも余裕がありましたから、落ち葉の季節になるとグリーンごとにブロワー(空気圧でゴミを吹き飛ばす道具)を持ったスタッフがいました。1組がグリーンを降りて次の組がグリーンに来るまでの間に、プレーヤーの邪魔にならないように注意しながらグリーン上の落ち葉を吹き飛ばしていました。

当時はバンカー内の落ち葉は取り除くことができないルールでしたから、ゴルファーが運不運で不愉快な思いをしないようにバンカー内の落ち葉を吹き飛ばす専門のスタッフもいました。

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バブルが弾けて多くのコースが最小限の人数でコース管理をするようになり、落ち葉がプレーの邪魔をすることが大問題になったコースやホールが出てきました。苦肉の策で、グリーン周りやバンカー近くの落葉樹は切り倒してしまうことが流行した時期もあったのです。

「昔は、このパー3はグリーンの周りにモミジの木がたくさんあって、秋は綺麗だった」というような懐かしむオールドゴルファーがいますが、本当の昔話になって、知らないスタッフのほうが増えているのが現実です。

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落ち葉ルールで秋ゴルフを楽しむ達人ゴルファーになろう!

落ち葉

落ち葉の処理は、落葉樹を減らしたとしてもゼロにはならないので、ゴルフコースにとって大問題です。

例えば、ブロワーでグリーン上から吹き飛ばした落ち葉は邪魔にならない場所にまとめます。山のようになっている所もあります。後からスイーバーと呼ばれる掃除をする重機で回収したりもしますが、なかなか追い着かないのです。

林の中の窪地などに落ち葉が堆積してしまうことも頻発します。「落ち葉が集まっているところはフカフカしていて歩くと気持ちが良い」なんてロマンチックなことを言っていられません。邪魔にならない所も、コース内であればミスショットは飛んでいくのです。

林の窪地も同様です。堆積した落ち葉の中にボールが入ってしまった場合は、狭い範囲だったとしても、探しても見つからないことが多いのです。ルール上、その場合はロストボールとなり、処理はOBと同じです。

ゴルフは運不運を楽しむゲームだという名言がありますが、落ち葉に入ったロストボールはショックが大きく、質の悪いことに1回では済まずに、1日に何度も同じようなケースにハマってしまうことが多いのです。せっかくの秋ゴルフが台無しです。

また、薄く堆積した落ち葉の上に乗ったボールは、アドレスしたときにボールが動いてしまったり、浮いているならまだしも埋まっている場合などはちゃんと当てるのに一苦労します。

そこで重宝するのが、落ち葉ルールです。

● 落ち葉に入ってボールが見つからないときは、修理地扱いで、無罰で新しいボールをドロップできる
● 落ち葉で打ちづらいときは、動かせない障害物として、無罰で影響がないところまで移動してドロップできる

この時限的なルールを採用することで、ロストボールの悲劇もなくなりますし、必要以上にむずかしいライからのショットも解放されます。秋ゴルフを単純に楽しめるようになるというわけです。

僕は秋ゴルフで落ち葉が気になる時期になると、主催するゴルフコンペでも、プライベートのラウンドでも、落ち葉ルールの採用を提案するようにしています。

知らないゴルファーが多いので、最初は『?』という感じでも、実際に救済を受ければみんな条件は同じなので、受け入れて秋ゴルフを楽しめるようになります。

ゴルフは気遣いすることを良しとする歴史をバックに世界中に広まりましたが、落ち葉の苦労はごく一部のエリアのコースだけに発生する事象なので、ゼネラルルールでは対応できません。

応用を利かせてこそ上質なゴルファーであり、尊敬される達人ゴルファーなのです。秋ゴルフを楽しむために、覚えていても損はしないはずです。

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ローカルルールはゴルファーを助けるために機能するのだと落ち葉ルールで知る

ゴルフ場

「そういうインチキは嫌です」落ち葉ルールを提案すると、拒否する真面目ゴルファーもいます。ゼネラルルールだけを厳守して、不正をしないという姿勢はゴルファーの基本ですから、彼らの主張も理解できますが…

落ち葉ルールには球探しの時間を短くできる効果もありますので、トータルで考えればゴルフの精神に反していないのです。

元々ゴルフのルールは、マッチプレー主流時代において、お互いが納得すればゼネラルルールに反していても問題ないというものでした。(2022年でも、マッチプレーなら一部は認められます)
つまり、自らの利益のためのズルでないのであれば、毛嫌いするほうがゴルフの精神から外れているとも言えるのです。

落ち葉ルールで大切なことは、その場になってから適当に採用しないことです。スタート前に、同伴者やコンペ参加者など、関係する全てのゴルファーに説明をして、同意を得ることが大事なのです。

ルールは、ゴルファーをいじめるために生まれたのではありません。ゴルファーを助けるために生まれたのです。全てのホールを快適にプレーできるような工夫が、ゴルフルールの始まりであることは、最古の13条のゴルフルールを読めば理解できます。

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変わりゆく秋ゴルフの楽しみ方

僕が20代の頃は、大量に出た落ち葉を山にして安全なところで焚き火をしているコースがたくさんありました。焚き火の中には、濡らした新聞紙で包んだお芋が入っていて、焼き芋ができるのです。

プレー後に焚き火を覗きに行くと、ホクホクの焼き芋をお土産にくれたりしたものです。帰りの車でそれを食べながら、その日のゴルフを反省するのも秋ゴルフの楽しみでした。

現在では色々な規制があって、焚き火を気軽にすることができなくなった地域が多くて、落ち葉の焚き火を見ることはありません。少し寂しいなぁ、と思いながらこれも昔話なのだとハッとしたりします。

秋ゴルフはこの国のゴルファーにとって、最高のシーズンのゴルフを楽しむものです。
この10年ぐらい、紅葉のシーズンはどんどん遅れていく傾向にあります。紅葉のシーズンのゴルフは、寒くなってしまって秋ゴルフとはいえない、と否定するオールドゴルファーも出てきました。

ゴルフコースの料金は予めカレンダー上で告知されています。12月に近くなればプレー料金が下がっていくコースが多いです。昔なら考えられませんでしたが、紅葉する景色を楽しみつつ、安くゴルフをすることが可能になるエリアもあります。

賢くお得にゴルフをするに越したことはありませんので、料金をチェックしながら、落ち葉ルールを仲間に提案して、一目置かれるシーンを想像するのも間違いなく秋ゴルフの面白さなのです。




篠原嗣典

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】

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