ライダー杯をパロった「ライターズ杯」って知ってる?佐渡充高が話す、多くのゴルフトーナメントが開催される背景にあるものとは
佐渡充高のプレミアム・ファイル
協賛のウォーターフォード社(アイルランド)提供のクリスタルの優勝カップ(直径16cm)。手にする度にかけがえのない思い出が蘇る。
ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。
GOLF TODAY本誌 No.611/115ページより
2月末に42年の歴史に幕を下ろしたホンダクラシックで、主催者の誇りとゴルフ界への熱い思いを感じる粋な計らいがあった。予選2日間は今秋開催の欧米対抗戦ライダー杯の米国主将Z・ジョンソン、欧州主将L・ドナルド、前主将P・ハリントンが同組プレー。2日目はジョンソン47歳の誕生日で忘れられない一日になったことだろう。ライダー杯成功へ、より親睦を深めてほしいホンダの願いがこめられていた。
DPワールド(欧州)ツアーはライダー杯の強化試合を兼ね、今年1月に欧州大陸対英国&アイルランドによるヒーロー杯を初開催。12月にはPGAとLPGA共催のチーム戦も決定するなど今後は個人戦以外の大会が増える。対抗戦はチームの結束のみならず対戦相手をより深く知る貴重な機会であり、勝敗だけではない絶大な影響(時に遺恨も?)がある。
実は米国には「ライターズ(記者)杯」という対抗戦がある。きっかけは米ゴルフ記者たちのパロディだった。熱闘ライダー杯の取材するほどに憧れがふくらみ「ライターも試合を実現しよう!」と79年に初開催。
回を重ねるごとに大きな反響で、記者たちはチーム入りと勝利を目指し練習に励みメキメキ上達。取材にも熱がこもり業界全体が活況に。米記者協会も米国外在住の入会が激増し世界最大の組織になっていった。