ゴルフとお酒について考えよう!飲んべえでも下戸でも、お互いに最高の時間にできるかどうかが重要です

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第75回

2023/07/01 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典



ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

写真提供/篠原嗣典

令和の現在、レストランは朝はクローズというゴルフコースが過半数を越えています。昭和の時代は、ほぼ全てのコースがフロントのオープンと同時にレストランもオープンしました。最大の理由は、朝から一杯、という“飲んべえゴルファー”たちの要望に応えるためです。

コースに着いたらサインインしてロッカーで着替え、先輩同伴者に挨拶するためにレストランを確認するというのは、あの頃のモーニングルーティンだったのです。飲むのが好きな先輩に、「まあ、駆けつけ一杯」とすすめられれば、グラスビールを一気飲みするのがおはようの挨拶でした。

こういう時間が楽しみで、スタート時間の1時間半前にはレストランで宴会スタートという予定を組む人たちがたくさんいました。もちろん、真面目にゴルフを楽しむのが自分のスタイルだから、プレー中の飲酒はしませんという人もいましたが、少数派でした。

よく行くコースであればボトルキープしているのは当たり前で、レストランの売り上げは、昼のランチより朝と昼とプレー後のアルコールの売り上げのほうが勝っているゴルフコースもたくさんあったのです。

当時、多くのゴルファーは社用族で、会社の看板と肩書きを背負っていましたので、酔っ払い過ぎて迷惑をかけるという事件は本当に少ないのも特徴でした。あの頃は本当に夢のようだったと、涙ぐむオールドゴルファーはたくさんいます。

その影響で、プレーしながらお酒を飲むゴルファーは令和にも生き残っています。面白いことに、若いゴルファーでお酒が好きな人は、飲みながら楽しむゴルフを新しいスタイルとして謳歌している例も少なからずあるようです。