フェースは腰の高さまで閉じたまま。腕が体の正面からハズレないからフェアウェイも外さないテイラー・ムーアのスイング
ZOZOチャンピオンシップ2023で見つけた方向性・正確性で勝負するスイング04
ZOZOチャンピオンシップ2023に出場したPGAツアー選手の中から“方向性に長けた”選手をピックアップ。方向性重視のコンパクトなスイングを武器に戦う選手たちのスイングを参考に、安定したティショットを目指そう。今回、取り上げるのはテイラー・ムーア。プロコーチ・吉田洋一郎が解説します。
写真/相田克己
ZOZOチャンピオンシップ2023に出場した方向性重視のコンパクトスイングが特徴的な選手を紹介してきたシリーズの最終回。今回取り上げるのはテイラー・ムーア(30歳・アメリカ)、身長は175cm。彼もエリック・コールやエミリアーノ・グリジョと同様に小柄な選手。ワールドランキングは53位。
「ZOZOチャンピオンシップ2023では21位でしたね。この選手もエリック・コールやエミリアーノ・グリジョと同じく、フェースの開閉が少ないスイングをしています。まず、特徴的なのは、腰の高さまでフェースを開かないテークバック」
そして、そのまま体の正面から腕がハズレることなく、スイングが行われる。
「ダウンスイングで体を先行させていくスイングなので、腕を動かしてしまうと正確性・再現性というのは、どうしても低下してしまいます。それもあって、フェースを閉じたまま(腕を動かさず)にテークバックする、という意識でバックスイングをしているのかもしれませんね。また、スイングはコンパクトです。トップはクラブが地面と平行になるくらいまでしか上がりません。ダウンスイングからは体を先行させて、腕とクラブは遅れてついてくる。ここが重要です」
トップを低くする意識。これでスイングはコンパクトになるのだろうか?
「トップを低くくというよりは、スイング自体をコンパクトにする。そう考えたほうがいいですね。普段よりも2、3割の振り幅にしよう、と考えてください。方向性重視のスイングをしたいので、飛ばそうとは考えないでください。そもそも200ヤード先まで運ぼうと決めたから、スプーンを持つわけですよね。必要な距離を打てる番手を持ったわけですから、飛ばそうと思わなくても飛ぶはずです」
多くのアマチュアは”必要な距離を打てる番手”を持ったにも関わらず、なぜか「150ヤード飛ばそう」「180ヤード飛ばそう」と考えてしまいがち。「150ヤード運ぼう」「180ヤード運ぼう」というイメージが、無駄な大振りを防ぐ。
「それから、ティショットは“とりあえずドライバー”というのもやめましょう。ホールを見て、状況を確認して、次打にとって最適な場所に運ぶことを考えて番手を選ぶことを忘れずに」