公費で2ラウンドもゴルフしちゃった副大統領。ゴルフ熱はホンモノです!
佐渡充高のプレミアム・ファイル
ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。
GOLF TODAY本誌 No.624/116ページ
米国第41代ジョージ・ブッシュ大統領(父)とダン・クエール副大統領は歴代屈指のゴルフ好きだった。特にクエールはホワイトハウス史上唯一のシングルハンデでゴルフでも数々のエピソードを残している。
退任後もPGAツアーとつながり、01年には地元フェニックスオープンのプロアマ戦に出場。僕はそこで初めてプレーを見た。選挙活動中に俳優ロバート・レッドフォード似をネタにしたところ「私を利用しないように」と本人から苦情があったほど、確かに雰囲気はあった。フレッド・カプルスのように素手でクラブを握り、なめらかなスイング。フィニッシュもビタッと決まり大ギャラリーは拍手喝采だった。
数多いエピソードで僕が最も印象に残っているのは在任中に最悪のタイミングで敢行した「公費で2ラウンド400万円騒動」。副大統領は保安のため公私で空軍機移動が認められている。移動費の増加が指摘されブッシュ大統領は91年4月に削減を約束する会見を行った。が、クエール副大統領は約束会見の数時間後、空軍機でマスターズの舞台オーガスタ・ナショナルGCへ意気揚々とゴルフ旅行に出発。週末2日間36ホールをプレーしワシントンに帰還。米メディアは航空機使用費、滞在費、警備費で合計2万7ドル(約400万円)など詳細を報じ大ニュースに。さらに行先が垂涎のオーガスタだったことが火に油を注ぎワシントンは大炎上した。