「バックスイングが浅いから軌道がアウトサイドインになる」それ、まったくの誤解ですよ~!【勝又優美・アマチュアの悩み解決】
JLPGAティーチングプロ・勝又優美が解決してきた「生徒さんから相談が多いゴルフの悩み」Case.18
やさしくてわかりやすい指導で安定した人気を誇る勝又優美プロが、これまでに多く相談されてきたアマチュアのお悩みを披露。その原因と解決策を教えるシリーズ。今回からは体が硬いと思い込んでいる人、および本当に体が硬いによくあるお悩みを紹介し、その解決策を探る。心あたりがある人はもちろん、あまりない人にも参考になる内容なのでチェックしていただきたい。
写真/相田克己
47歳のWさんはゴルフ歴16年。アベレージは90台前半で、常時80台を目指す熱心なゴルファーです。目下のところドライバーのヘッドスピードは40m/s前後。平均飛距離はキャリーで210~220ヤードということで、飛距離アップを望んでおられます。ご本人的には+10ヤード欲しいとのこと。これを実現することで目標が達成できると目論んでおられます。
Wさん曰く「飛ばないのは体が硬いから。バックスイングでもっと体を捻れれば……」とのこと。でも、スイングを拝見する限りでは捻転不足には見えませんでした。むしろ気になったのはバックスイングではなくダウンスイング。スイングでは上半身と下半身の捻転差を作ることが必要です。Wさんもそれを考えてバックスイングで上体を捻っていますが、捻転差が本当に大事なのは、切り返しからダウンスイングのプロセス。捻転したトップから腰を回して切り返し、ダウンスイングで上体との捻転差を作ることです。
Wさんはこうも言っておられました。「捻転が浅いせいで結果的に腰が開く感じになるので外からクラブが下りちゃう。それでカット打ちになるから飛ばないんだと思います」。確かにWさんのスイング軌道はアウトサイドイン。ダウンスイングでクラブが外から下りていました。でも、そうなっていた原因は捻転が浅いせいではなく、切り返しで胸の捻り戻しが早いことでした。わかりやすく言うと、切り返し以降で腰と胸が一緒に回るので胸が前を向いてしまう。こうなるとダウンスイングで手元が高い位置からしか入らなくなります。アウトサイドイン軌道になっていたのはそのせいで、体の硬さとは全く関係なかったのです。