ドライバーはやっぱりドローで飛ばしたい! だったら、ターゲットのちょい右を向いてインサイドアタックだ!
オジサンだって、まだまだ飛ばせる! 【人気コーチ・大西翔太のカラダにやさしいドライバーレッスン!】
年齢とともにカラダの柔軟性がなくなってきたし、パワーも低下した。だけど年相応にドライバーの飛ばしを楽しみたい! そんなオジサンゴルファーたちに大西翔太コーチがドライバーの飛ばしテクをアドバイス。最終回の第15 回は「オジサンゴルファーでもドローで飛ばせるコツ」がテーマ。カッコいいオジサンゴルファーになろう!
構成/三代 崇 写真/小林 司 協力/千葉カントリークラブ梅郷コース
下半身を先にシフトしてから右側屈すれば、インサイドアタックでドローが打てる!
右側屈のタイミングを間違えるとクラブがアウトサイドから下りてしまう
飛距離を出すなら、やっぱりドローが有利。だけどこのドローがなかなか打てない。インサイド・アウトの軌道で、フェースターンを思いきり使って打ってもチーピンにしかならない。オジサンでもドローがすぐ打てるようになるポイントを知りたい!
そんな訳で、ボクの周りにも「ドローの打ち方を教えて!」といってくる方が大勢います。
ドローの打ち方の基本としては、まずターゲットよりも少し右を向いて構えます。ドローはボールを右に打ち出して、ボールの落ち際から緩やかに左に戻って狙ったターゲットに着弾する球筋ですから、打ち出したい方向に肩や腰、スタンスを向けるのです。
そしてフェース面は打ち出したい方向よりも少しだけ左に向けます。ここが微妙なところですが、カラダをターゲットよりも10ヤード右に向けるとすれば、フェース面はターゲットよりも5ヤードくらい右に向けるというイメージです。
あとは構えた体勢のままで通常の感覚でスイングするだけでOK。カラダを最初から右に向けて構えていますから、スクエアに構えた時と同じスイングをすればターゲットに対してインサイド・アウトの軌道で振ることになり、フェース面の向きは軌道に対して少しクローズとなるのでボールにドロー回転がかかるわけです。
カラダの向きとフェースの向きが一緒ではボールが右に飛び出して、そのまま真っすぐ飛んでしまいます。カラダの向きが右で、フェースをターゲット方向か、それよりも左に向けるとボールは左に曲がりすぎてしまうことになります。
説明が長くなってしまいましたが、カラダをターゲットの10ヤード右に向けるなら、フェース面はカラダの向きよりも5ヤード左に向ける。そんな具合にカラダの向きとフェース面の向きに少しの差をつけるようにしましょう。
さてオジサンゴルファーたちがドローを打ちたくてもなかなか打てないのは、無理やりドローを打とうとしているにもかかわらず、実際はインサイド・アウトの軌道で振れていないからです。
トップから切り返すときは下半身が先に左にシフトするのが大原則です。その動きと連動してカラダの中心が左にスライドすれば必然的にクラブがインサイドから下りてきます。
ところが多くのオジサンゴルファーは、トップから下半身がシフトしないで上体を先に戻してしまうため、アウトサイド・インの軌道になってしまっているのです。
切り返しで左肩をアドレスの位置へとスライドするイメージを持とう
ボクはドローが打ちたいと願うオジサンゴルファーたちに、「カラダの右サイドの側屈によって型にはめるとドローが打てるようになりますよ」とアドバイスしてきました。ダウンスイングで右ワキ腹を縮めるサイドベンドですが、上体がやや右傾きとなり、クラブをインサイドから振り下ろしやすくなります。
そこでオジサンゴルファーたちは右サイドを思いきり側屈させればドローが打てると思い込んでしまったわけですが、下半身を先にシフトさせた上でのサイドベンドでなければインサイド・アウトの軌道で振れないのです。
切り返しでは下半身が先行しますが、それと同時に左肩をアドレスの位置に戻す動作を意識してみてください。ダウンスイングの始動で左肩を先に回したり浮かせたりしてはダメです。腰をターゲット方向にスライドする動きと連動して左肩も左側に平行移動させるのです。「左肩を戻したら右の側屈なんてできないでしょ?」と思われがちですが、そうではありません。
左肩のスライドによってカラダの右サイドにスペースが生まれて、右サイドの側屈がスムーズにいきますし、特別に意識しなくても自然にインサイドから振り下ろせるようになります。これが、プロたちがよく口にする大きな飛距離を生み出す「インサイドアタック」で、ドローを打つためのポイントです。
ボクが右サイドの側屈とかサイドベンドを強調しすぎたせいか、逆にアウトサイド・インの軌道の人が増えてしまったのは大きな反省点で、もっと話を詰めてアドバイスすればよかったなと思ったことがありました。
切り返しで下半身と一緒に左肩をスライドしてから、右サイドを側屈させましょう。そのように注釈を加えたところ、オジサンゴルファーたちの動きがよくなり、すぐにドローが打てるようになりました。「目からウロコだよ!」と喜んでいただけたのは、僕も嬉しい限りです。
大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方で青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。
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