ティショットのあとのチョロの防ぎ方はある! 打つ前に“当て感”を出す素振りで脳を切り替えよう!
吉本巧のゴルフギア教室 第64回

ドライバーでナイスショット! そんな時に限って、2打目でチョロ。これめちゃくちゃにくやしいし、ガッカリ感がハンパじゃない。どんなに気をつけていても、なぜか起きるこの現象。防げる方法はないの? プロコーチ・吉本巧に聞いてみよう!
ドライバーでティショットを打ったあと、2打目でスプーンを持ったら大ミス! こんな経験をした人が少なからずいると思います。この場合のミスには2つのパターンがあって、一つはドライバーでスーパーナイスショットのあとにチョロするパターン、もう一つはドライバーでチョロやダフりが出たあとに、それを繰り返すパターンです。
前者は脳が切り替わっていないために起こります。ティショットではティアップしたボール=宙に浮いたボールを打ちます。それでナイスショットしてフェアウェイに行くと、ティショットの余韻が強く残ったままで対応しきれない。“ティアップ脳”から“地面から打つ脳”への切り替えができていないわけです。脳を切り替えるには、必ず“クラブのソールが地面を擦る素振り”をしてから2打目に臨むこと。ヘッドが空を切る素振りでは脳が切り替わりません。
ミスを繰り返すパターンの場合、多くはチョロの連チャンですが、これは“狭いエリアのスイング”ができていないことで起こります。アマチュアの方の多くは打つ前に素振りをしますが、目的意識がなく儀式的にやっている人が大半です。この素振りには意味がありませんが、あえて意味をもたせるとしたら体の動きをチェックする素振りで、これは“広いエリアの素振り”になります。
広いエリアの素振りは、インパクト時にヘッドが戻ってくるエリアが広く、いわばどこに戻ってもいい素振り。運動のリハーサルにはなりますが、これだけだとボールに対する”当て感”が出ません。打つ時はヘッドをボールのところに戻さないといけないわけで、それには“狭いエリアを意識した素振り”が必要なのです。
チョロが続く人はこれができていない。すなわち当て感が急激に落ちているので、必ずヘッドを狭いエリアに戻す意識の素振りをしましょう。よく「素振りはいいのに本番がダメ」な人がいますが、まさにこれ。気持ちよくキレイに振れるのは広いエリアの素振りだから。動くことが目的なのでビュンビュン振れるのですが、いざ打つとなったらヘッドを決まったエリアに戻さなければなりません。本番がダメなのはターゲットにギャップがあるまま打った結果なのです。
おすすめなのは素振りの二本立て。はじめは体の動きを意識した広いエリアの素振り、次に当て感重視で狭いエリアの素振りをします。例えば最初の素振りはターゲットを見ながらビュン! と気持ちよく振る。次はボールのあたりに視野を絞って振る、といったようにするわけです。
プロの素振りには明確な意図がありますが、これはその最たるものと言えるかもしれません。ターゲット意識のみならずボールへの意識ももって素振りをする。多くのプロはこれを無意識にやっています。一度の素振りで両方を意識できるプレーヤーもいるでしょう。何といってもプロですからね。